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牛乳有害説

言説の一般的概念や通念の説明

語句説明

乳有害説とは、「牛乳は人の体に悪い」という基本的な考えのもと、牛乳が人の健康に与える影響(害)について主張する言説である。本項では、この牛乳有害説(牛乳有害論)について評定する。牛乳についての基本的な知識として、まず、以下に牛乳の組成成分について記載する注1) 。

表1 牛乳の組成(100g当たり)「日本食品標準成分表2010」による

エネルギー 67㎉        マグネシウム 10mg          
タンパク質 3.3g ナトリウム 41mg
脂質 3.8g カリウム 150mg
炭水化物 4.8g ビタミンA 39
カルシウム 110mg ビタミンC 1mg
リン 9mg コレステロール 12mg

  よく知られているように、牛乳の成分において一番に注目されるのはカルシウムである。カルシウムはヒトを含む動物や植物の代表的なミネラル(必須元素)であり、骨を構成する主成分である。ミネラルは人体で生成することができないため、生命維持のためには食品から摂取する必要があり、カルシウムはその中でも最も多く体内に存在し、ヒトの体重の1~2%を占めている注2) 。

  牛乳において強調されるのは、このカルシウムを効率よく取り入れることのできる食品だということであり、反対に牛乳有害説で唱えられているのは、カルシウムを摂取するのに牛乳は相応しい食品であるとは言えず、むしろ健康を悪化させるという主張である。

  牛乳有害説の厳密な定義はないが、たとえば「牛乳を飲むと下痢をするため、消化吸収に優れず、かえって体調を悪化させる」や「牛乳を飲みすぎると骨粗鬆症になる」など を有害説とみなすことができる注3)。  

  本評定では、新谷弘実氏による著書『病気にならない生き方』にて謳われている主張を中心的に扱う。これは、新谷氏の著書が社会的に与えた影響 や、これが「牛乳有害説」が広く一般に知られることになった契機であるという推定に基づいている注4)。また、データの観点(再現性)では、牛乳飲用における健康リスクのメタ分析研究の結果を中心に評価する。なお、本項の記述は牛乳アレルギーの問題を否定するものではない。


注1)牛乳の組成(100g当たり)。「日本食品標準成分表2010」による。
注2)内、99%は歯と骨に、残り1%は血液や細胞外液などに存在する。
注3)本項では主に、新谷弘実『病気にならない生き方~ミラクル・エンザイムが寿命を決める』サンマーク出版2005を取り上げる。
注4)たとえば、J-CASTニュース「松嶋尚美の牛乳有害発言に批判相次ぐ。専門家も科学的根拠に基づかないとばっさり」;「中居正広のミになる図書館~知らなきゃ良かった!」などである。

目次:

1.乳糖不耐症は害ではない?
理論の観点:論理性(低) 体系性(低) 普遍性(低)

2.飲みすぎなければ牛乳は有用な食品
データの観点:再現性(低)~(中) 客観性(低)~(中)

3.牛乳アレルギーには要注意
理論とデータの観点:妥当性(低) 予測性(低)

4.「牛乳神話」が問題の根源
社会的観点:公共性(低) 歴史性(中) 応用性(低)

総評:疑似科学



理論の観点:

論理性(低)

  牛乳有害説を構成する主張の多くにおいて、消化吸収の問題を取り上げている。そこで、本項でもまず牛乳の消化吸収における問題、具体的には乳糖不耐症(ラクターゼ欠乏症lactase deficiency)を検討する。

  日本人を含むアジア系の人種 には注5)、遺伝的に乳糖注6) を分解する酵素(ラクターゼ )が少なかったり注7)、活性していなかったりする人が多い。こうした欠損が認められることを乳糖不耐症という。

  乳糖とは、牛乳を含む「乳」の大部分を占める糖 であり注8)、乳糖不耐症とはすなわち、この乳糖を上手に分解することができず、吸収不良を起こすことを指す。症状としては、牛乳などの「乳」を飲んだ後におこる下痢、腹痛、腹部膨満などが挙げられる。

  この乳糖不耐症が、牛乳有害説を唱える根幹部分の考えとなっていることがうかがえる[1-2] 。要するに、日本人の多くは乳糖を分解し吸収する能力が低いので、牛乳を飲んでも栄養素を取り込めず、しかも下痢などの症状をおこすため健康に悪影響を及ぼす、といった論理である。この論理はある程度筋が通っているようにも見えるものの疑問点もある。  

  まず指摘すべき点は、乳糖不耐症であるからといって栄養素を「まったく吸収できないわけではない」ということである。たとえば、カルシウムは主に小腸上部の十二指腸や空腸で吸収されるが、乳糖不耐症は小腸で吸収されなかった乳糖が大腸に移行して起こるものである。つまり、作用している体の器官がそれぞれで違うため、「栄養素が得られない」という牛乳有害説の主張が理論的な説明になっていないのである。

  乳糖不耐症はカルシウムなどの栄養素の吸収を妨げているわけではなく、きちんと吸収されている。下痢=消化・吸収不良というイメージが直観的に想起され、確かにそうした意味もあるものの、少なくとも牛乳の場合、有害説を唱えるほど強力な根拠とはならないだろう。

  続いて、主に新谷弘実氏によって提唱されている「牛乳を飲みすぎると骨粗鬆症になる」という主張を紹介する。新谷氏は自身の著書『病気にならない生き方』などにてこうした主張を展開しており、社会的にも大きな影響を与えている[3-4] 。以下に、氏の主張の代表的な箇所を抜粋する[1] 。

  人間の血中カルシウム濃度は、通常九~一〇ミリグラム(一〇〇㏄中)と一定しています。ところが、牛乳を飲むと、血中カルシウム濃度は急激に上昇するそうです。そのため一見すると、カルシウムがより多く吸収されたように思いがちですが、この「血中濃度の上昇」こそが、悲劇をもたらすのです。
  じつは急激にカルシウムの血中濃度が上がると、体は血中のカルシウム濃度をなんとか通常値に戻そうと恒常性コントロールが働き、血中余剰カルシウムを腎臓から尿に排出してしまうのです。つまり、カルシウムをとるために飲んだ牛乳のカルシウムは、かえって体内のカルシウム量を減らしてしまうという皮肉な結果を招くのです。  

  新谷氏が展開している理論には、少なくとも二点の疑問がある。
  一点目は、なぜカルシウム量が「減るのか」という点である。確かに、身体の恒常性という意味において、消化・吸収された物質のうち不要なもの(余剰なもの)は排出される。しかし、それは体内組織のバランスを保つためであって、カルシウム量が「減る」という意味にはならない。
  また、体内のカルシウムはホルモンやビタミンの働きによって交換され続けており、それによって濃度を一定に保っている。たとえ過剰にカルシウムを摂取したとしても(これ自体は褒められたことではないし、別の問題を生じさせる)、恒常性を一定に保つために余剰部分が排出されるだけであり、やはり「減る」という意味にはならないのである。  

  二点目は、「なぜ牛乳だけがダメなのか」という点である。新谷氏は、小魚や海藻類でカルシウムを補充することは奨励しているが、牛乳だけがダメだという説明としてはやや弱い。カルシウムの過剰摂取についてはたとえば腎臓結石や高カルシウム尿症のリスクが知られている が[5]、小魚や海藻類についても同じ理論が当てはまるため合理的な説明とはいえないことがうかがえる。


注5)遺伝的な乳糖不耐症は、農耕民族であるアジア系人種に多く牧畜民族である北ヨーロッパ系人種に少ないことが示唆されている。ただし、この解釈には諸説がある。
注6)乳糖は英語でラクトースという。「ラクト」はラテン語で「乳」を意味している。
注7)ヒトを除くほとんどの動物では、出産直後にはラクターゼが存在するものの、その後消失する。ヒトでは多くの場合、ラクターゼの活性は生涯存在する。
注8)一般に食品の糖質はデンプン、二糖類(ショ糖、乳糖)、グルコース(ブドウ糖)の形態で保有されている。

体系性(低)

  牛乳有害説では多くの面において、既存の学術的知見と合致しない説明がある。乳糖不耐症については既に述べたが、ここでは特に、新谷弘実氏の言説に焦点を当て、その中でも「牛乳を飲みすぎると骨粗鬆症になる」といいう主張を中心的に取り上げる。これは、新谷氏の著書『病気にならない生き方』が、少なくとも日本における牛乳有害説の広まりの下支えとなったことが推定できるためである。  

  骨粗鬆症 とは、平易な言い方をすると「骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気」である注9)。骨の強さ(骨強度)は骨の量(骨密度)と骨の質(骨質)で決まり、骨粗鬆症とは、それらが悪くなった状態のことを指す。骨は通常、骨吸収と骨形成を繰り返している。古い骨を壊し新しい骨を作っているのであり、そのサイクルに支障をきたすと骨粗鬆症になる。  

  骨粗鬆症の危険因子の一つとしては、カルシウム摂取の不足が医学的に広く受け入れられている。一日の総カルシウム摂取量が400mg未満であると骨格に悪影響を及ぼすとされ、現在、(日本人の)成人においては一日に1000mg程度の摂取が推奨されている[6] 。カルシウムを多く含む食品として牛乳、あるいは乳製品がそのための代表例として示されている。

  繰り返しになるが、この骨粗鬆症について、新谷氏は牛乳の多飲が発症に影響を与えているという説を展開している。この言説の背景には「アメリカ、スウェーデン、デンマーク、フィンランドなどの酪農がさかんで牛乳を大量に飲んでいる国では骨粗鬆症が多い」という俗説があり、また、新谷氏がその科学的根拠としているのは「Milk, Dietary Calcium, and Bone Fracture in Women」D. Feskanich et al American J. Public Health,Vol. 87, 991~997 (1997)と、WHOによる「カルシウム・パラドックス 」に関するレポートである注10)。

  しかし、前者の論文は牛乳多飲によって骨粗鬆症の予防効果はなかったとしているだけのものであり、牛乳が発症に影響を及ぼすという因果関係を述べたものではなく、有害であるという言説を裏付けるものでもない。また、後者のWHOのレポートに関しては、そもそも牛乳の多飲について触れていないのである。
  このように、少なくとも牛乳多飲が骨粗鬆症発症に影響を与えるという言説は整合的とはいえないと評定する。


注9)女性ホルモンが骨の新陳代謝に関わっているとされるため、一般に、骨粗鬆症患者には女性が多い。
注10)カルシウム・パラドックスとは、カルシウムの摂取量が多い国ではかえって骨折が多いという現象のことである。ただし、カルシウム摂取量との因果関係はまだわかっておらず、WHOはこの原因解明の必要性について指摘している。

普遍性(低)

  ヒトにとって牛乳が有害であるという言説が支持されるならば、非常に普遍性の高い理論であるといえる。しかし、現在のところ牛乳有害説は、言説の内部的(論理性)にも外部的(体系性)にも理論的に多くの矛盾がみられ、普遍性を装っていることが推察される。  

  ただし、牛乳有害説が普遍性を装う背景には「牛乳には栄養素が豊富にあるため、牛乳さえ飲んでいればよい」という牛乳神話が広く受け入れられすぎているという社会状況にある[7] 。つまり、牛乳がいわゆる「完全食品」であるという通念に対する疑義の面も多少なりとも見受けることができ、この点に関しての議論は今後必要となるかもしれない。



データの観点:

再現性(低)~(中)

  本評定では、牛乳飲用における健康リスクに関するメタ分析研究の結果に基づいて評価する。今回は、医学、生命科学分野に強い検索エンジンであるPubMedを用いて調査した。2018年9月22日時点において検索該当した52件の文献のうち、タイトルおよびAbstractを閲覧して無関係と判断した文献(N=18)と、全文閲覧して無関係と判断した文献(N=10)を除いた24件を評価した[8-31]。これら24件のおおまかな概要は下表2に示す通りである。なお、メタ分析の基データの多くは症例対照研究やコホート研究に基づく疫学的な知見である。表内のRRはリスク比を、ORはオッズ比を、95%Clは95%信頼区間うをそれぞれ表している。

(表2)牛乳リスクに関するメタ分析研究(発表年順)
画像リンク

  牛乳摂取における健康リスクについて、統計的に有意な差があり、かつ他の結果とも一貫しているデータをまとめると次のことがいえる。

リスク増加: 前立腺がん(IGF-Iレベル含む)[10,14,16] パーキンソン病[23]
リスク減少: 大腸がん[11,15,22] 糖尿病[15,21] 高血圧[15,20]

  まず、前立腺がんリスクがわずかに増加するとの結果がある。たとえば、Qinら(2007)のメタ分析では、牛乳、乳製品を日常的に摂取しているグループの方が、そうでないグループよりも前立腺がんリスクが高いことを示している(リスク比1.10,95%信頼区間[1.01,1.21])。また、前立腺がんのリスク因子として考えられているIGF-I数値にも、統計的に有意な相関があることが示唆されている[16]。ただしこうしたリスクは、牛乳や乳製品に固有の害としてもたらされたわけではなく、カルシウム摂取に由来する影響であるというのが一般的な見解である[32]。   

  また、パーキンソン病の発症との相関関係を示唆した研究もある。Jiangら(2014)のメタ分析では、乳製品高摂取群の方がリスクが高いことが示されている(リスク比1.40,95%信頼区間[1.20,1.63])。しかしこれも牛乳摂取のみのデータではなく、乳製品全体での比較であることに注意されたい。

  一方、牛乳や乳製品摂取によってリスクが減少する疾患も複数ある。代表的なのは大腸がん、糖尿病、高血圧である。たとえばRalstonら(2014)のメタ分析では、牛乳摂取によって大腸がんリスクが減少する結果が示されている(リスク比0.85,95%信頼区間[0.77,0.93])。同じように糖尿病についてはElwoodら(2008)、高血圧についてはSoedamah-Muthuら(2012)のメタ分析が代表的である[15,20]。さらに、Guoら(2017)のメタ分析において、すべての疾患による死亡リスクが減るとのデータもあるが[30]、これは一貫した結果ではない。リスク増加/減少を示唆するデータは他にもいくつかみられたが、どれも限定的で一貫性がないため、今のところ評価は難しい。   

  総じて、牛乳有害説が主張するような害よりも、牛乳摂取によるメリットの方が大きいといえる。たとえば前立腺がんリスクについても牛乳に固有の害とはいえないため、有害説を支持するデータとしては弱いだろう。少なくとも、牛乳摂取を一義的に害であるとはいえず、むしろ摂取によって身体によい影響を及ぼすことの方が多いだろう。

客観性(低)~(中)

  牛乳有害説の根拠とされているデータの多くは、統計データの取り違えや研究結果の読み間違えなどによる誤用であることが推察できる。そのため、そもそも牛乳が有害であるという科学的根拠となっておらず、肯定派の示すデータの客観性にはいくつかの疑問がある。  

  中でも『病気にならない生き方』の著者、新谷弘実氏に対して牛乳乳製品健康科学会議が送った公開質問状および回答が、その顕著な例として挙げられる。たとえば、次の主張が新谷氏によって展開されている。

①ホモジナイズ注11) することによって生乳に含まれていた乳脂肪が酸素と結びつき「過酸化脂肪」に変化する
②牛乳に含まれるたんぱく質の約八割を占める「カゼイン」は胃に入るとすぐに固まってしまい消化されにくい

  これらはそれぞれ、①「Homogenization of milk and milk products」Milk Homogenization and Heart Disease,Mary G. Enig, PhD(大学の教科書的HPの一節)と②「Milk」(オレゴン州立大学の教科書だと思われる)がその根拠として提示されているものの、①②にはともに新谷氏の主張を裏付ける記述はなく、研究データの誤用、もしくは恣意的な文脈の選択があることがうかがえる。

  ただし、牛乳有害説を支持する直接の根拠とはならないものの、カルシウムを多く含む乳製品の過剰摂取が健康に悪影響を及ぼす可能性を示唆するデータもいくつかあり 、適切な量を飲用することが大切である[6]。


注11)ホモジナイズ牛乳とは、人の手によって成分が「均質化」された牛乳の事であり、ノンホモジナイズド牛乳とはその過程がないもののことを指す。両者は主に脂肪球の均一化という意味において特に意を異にする。



理論とデータの観点:

妥当性(低)

  再現性、客観性の項目で述べたように、牛乳有害説を示すとしているデータの信頼性には疑問があり、理論に合致したデータを収集しているとはいえない。

  仮に牛乳消費量の多い国に骨折が多いという相関データが得られたとしても、「高緯度地域で日射量が少なく骨形成に必要なビタミンDの生成量が少ない可能性」や「長身で脚の骨の長い人が多く骨折頻度が高い可能性」など、他の要因の介在を否定しきれず、有害説を主張する論理的妥当性として乏しい。全般的に牛乳有害説では「牛乳が有害である」という結論ありきでデータを引用しており、妥当な評価がされているとは言い難い注12) 。


注12)同様の指摘はすでに「牛乳乳製品健康科学会議」などの業界団体からもされている。

予測性(低)

  仮に牛乳が有害であるならば、どういうカテゴリーに属するどのような人が対象なのか、あるいはそのような人たちがどの程度の牛乳を飲用すると「害」となるのか、などの検証が行われなければならない。ただし、実際には倫理的な問題が伴うため、それが困難であるという面があることは否めない。疫学的な研究によって因果関係を推定するに留まらざるを得ない。  

  一方で、ヒトのアレルギー症状の中でも最も強力なもののうちの一つである牛乳アレルギーについてはその発症機構は細かく解明されており、症状への制御についても研究されている[33] 。また、牛乳に限らずカルシウムの一度の摂取量の上限は600mgとされており注13) 、牛乳有害説のみが特別に検証不可能な理論であるともいえない。  

  牛乳有害説ではこのような研究を言説補強の論拠として引用いることがうかがえるが、「牛乳が有害である」という主張を強力に支持する知見がないため、データの予測もできない状況にある。


注13)高用量ではカルシウム吸収率が低下するためである。



社会的観点:

公共性(低)

  現在、牛乳が有害であるという言説は、その根拠が不明瞭なまま一般に流布されていることが懸念される。特に、新谷氏の著書による影響は大きく、牛乳と科学に関する学術団体である牛乳乳製品科学会議による公開質問にまで至ったことは言及すべきだろう。また、最近(2015年時点)のTV番組にて芸能人が牛乳有害説を支持していると述べ、物議をかもしたことも記憶に新しい。

  総じて、牛乳有害説は公共的であるとは言い難く、データよりも直感が先行して一般に認知されている。行政機関などの多くの団体が警告、提言を発信してはいるが、それよりも有害であるとの説の方が「感染力」が高いようである。実際、牛乳が体に悪いとの情報がネット検索上位にくることもしばしばである。

歴史性(中)

  牛乳が有害であるという言説が、いつ、どこで生まれたのかを特定することは難しい。新谷氏による有害説が最も認知度が高いとはいえるだろうが、それ以前にも、牛乳が人体に有害であるという言説が存在していたとの指摘がある[34] 。  

  こうした背景には、牛乳が「完全食品」であるといういわゆる牛乳神話に対する不信を読み取ることができる。この意味での議論は考慮すべきであるが、少なくとも現在の牛乳に関する主要な研究では牛乳神話についても否定的であり、「完全食品」であることを謳っているわけではない。また、新谷弘実氏と牛乳乳製品健康科学会議との論争に見るように、両者にはある種のディスコミュニケーションが生じていることが推定される。

  他にも、乳糖不耐症について文化人類学や進化心理学の文脈にて語るべき問題なのか、それとも生理学分野のみで説明可能な事象なのかについては現在も議論が続いており、統一した見解には至っていないという課題もある。ただし、そもそもこれも牛乳有害説における直接的な議論ではないことには注意が必要である。
  本項では歴史性は中と評定するが、これは牛乳有害説において建設的な議論が形成されてきたことを意味しているわけではない。

応用性(低)

  牛乳有害説の社会への応用性は低いと評価した。上述のとおり、有害説は論理性が乏しく、根拠として用いられているデータも客観性に欠けたものである。

  本言説が広まることにより、実際に害はないにもかかわらず牛乳を忌避する人が増える可能性がある。特に日本人にはカルシウム摂取量の不足が指摘されており、良質なカルシウム源である牛乳を他の食品と併せて適量摂取することはむしろ望ましいことである。

  乳糖不耐症や牛乳アレルギーのような特定の疾患は別として、牛乳そのものが人間にとって有害であるという言説に有用性を見出すことは現在のところ難しい。



総評:

疑似科学

乳が有害であるという説に関して、科学的な根拠はほとんどない。少なくとも骨粗鬆症における有害説の理論は破綻状態であり、他の研究データの誤用などによって、なんとか体裁だけ支えられているという状態にある。換言すると、言説のつじつまをあわせるために研究データを引用していることが指摘できる。また、社会的影響力のある著名人などを巻き込みながらこうした言説が蔓延していることが見受けられ、一般への広まり方にも注意が必要な主張である。

  乳糖不耐症によって下痢症状などがあらわれ、牛乳を飲むことが不快であると感じている人は多いが、前述のような牛乳の栄養素の消化・吸収という意味において、牛乳⇒有害という構図は容易に一般化されないであろう。

  牛乳有害説が信奉される背景には、いわゆる「牛乳神話」への不信を読み取ることができる。この点においては、有害説にも一分の理があるように思えるが、だからといってそれが無条件に受け入れられるわけではないのである。

  ただし、この総評はあくまで有害説を唱えるほどの強力な根拠とはなりえないというだけのものであり、乳糖不耐症の場合は牛乳以外からの該当栄養素摂取も可能であるため無理な牛乳摂取は薦めない。また、先に述べたようにカルシウムの過剰摂取にある種のリスクも報告されているため適切な量を守って飲むことが望ましい。さらに、学校給食における児童の牛乳飲用に対する議論も別個必要だということも付しておく。



参考文献

  • [1]新谷弘実『病気にならない生き方~ミラクル・エンザイムが寿命を決める』サンマーク出版2005
  • [2]ASIOS『謎解き超科学』彩図社2013
  • [3]J-CASTニュース「松嶋尚美の牛乳有害発言に批判相次ぐ 専門家も科学的根拠に基づかないとばっさり」(http://www.j-cast.com/2015/07/22240789.html)
  • [4]テレビ朝日「中居正広のミになる図書館~知らなきゃ良かった!」(http://www.tv-asahi.co.jp/mininaru/backnumber/0118-2/)
  • [5]国立健康・栄養研究所「健康食品の安全性・有効性情報~カルシウム解説」(http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail660.html)
  • [6]厚生労働省「海外の情報~カルシウム」「統合医療情報発信サイト」(http://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c03/01.html)
  • [7]小寺とき『本物の牛乳は日本人に合う~ノンホモ・パスチュアライズド牛乳の話』農山漁村文化協会2008
  • [8]Missmer, et al. Meat and dairy food consumption and breast cancer: a pooled analysis of cohort studies, Int J Epidemiol, 31(1):78-85, 2002.
  • [9]Elwood, et al. Milk drinking, ischaemic heart disease and ischaemic stroke II. Evidence from cohort studies. Eur J Clin Nutr. 58(5):718-24, 2004.
  • [10]Qin, et al. Milk consumption is a risk factor for prostate cancer: meta-analysis of case-control studies. Nutr Cancer. 48(1):22-7, 2004.
  • [11]Cho, et al. Dairy foods, calcium, and colorectal cancer: a pooled analysis of 10 cohort studies. J Natl Cancer Inst. 96(13):1015-22, 2004.
  • [12]Kanis, et al. A meta-analysis of milk intake and fracture risk: low utility for case finding. Osteoporos Int. 16(7):799-804, 2005.
  • [13]Larsson, et al. Milk, milk products and lactose intake and ovarian cancer risk: a meta-analysis of epidemiological studies. Int J Cancer. 118(2):431-41, 2006.
  • [14]Qin, et al. Milk consumption is a risk factor for prostate cancer in Western countries: evidence from cohort studies. Asia Pac J Clin Nutr. 16(3):467-76, 2007.
  • [15]Elwood, et al. The survival advantage of milk and dairy consumption: an overview of evidence from cohort studies of vascular diseases, diabetes and cancer. J Am Coll Nutr. 2008 Dec;27(6):723S-34S.
  • [16]Qin, et al. Milk consumption and circulating insulin-like growth factor-I level: a systematic literature review. Int J Food Sci Nutr. 60 Suppl7:330-40, 2009.
  • [17]Bischoff-Ferrari, et al. Milk intake and risk of hip fracture in men and women: a meta-analysis of prospective cohort studies. J Bone Miner Res. 26(4):833-9, 2011.
  • [18]Li, et al. Milk and dairy consumption and risk of bladder cancer: a meta-analysis. Urology. 78(6):1298-305, 2011.
  • [19]Mao, et al. Milk consumption and bladder cancer risk: a meta-analysis of published epidemiological studies. Nutr Cancer. 63(8):1263-71, 2011.
  • [20]Soedamah-Muthu, et al. Dairy consumption and incidence of hypertension: a dose-response meta-analysis of prospective cohort studies. Hypertension. 60(5):1131-7, 2012.
  • [21]Aune, et al. Dairy products and the risk of type 2 diabetes: a systematic review and dose-response meta-analysis of cohort studies. Am J Clin Nutr. 98(4):1066-83, 2013.
  • [22]Ralston, et al. Colorectal cancer and nonfermented milk, solid cheese, and fermented milk consumption: a systematic review and meta-analysis of prospective studies. Crit Rev Food Sci Nutr. 54(9):1167-79, 2014.
  • [23]Jiang, et al. Dairy foods intake and risk of Parkinson's disease: a dose-response meta-analysis of prospective cohort studies. Eur J Epidemiol. 29(9):613-9, 2014.
  • [24]Liu, et al. Milk, yogurt, and lactose intake and ovarian cancer risk: a meta-analysis.Nutr Cancer. 67(1):68-72, 2015.
  • [25]Lu, et al. Dairy products intake and cancer mortality risk: a meta-analysis of 11 population-based cohort studies. Nutr J. 15(1):91, 2016.
  • [26]Mullie, et al. Daily milk consumption and all-cause mortality, coronary heart disease and stroke: a systematic review and meta-analysis of observational cohort studies. BMC Public Health. 16(1):1236, 2016.
  • [27]Wu, et al. Dietary Protein Sources and Incidence of Breast Cancer: A Dose-Response Meta-Analysis of Prospective Studies. Nutrients. 8(11). pii: E730, 2016.
  • [28]Wu, Sun. Meta-Analysis of Milk Consumption and the Risk of Cognitive Disorders. Nutrients. 8(12). pii: E824, 2016.
  • [29]Hartwig, et al. Association of lactase persistence genotype with milk consumption, obesity and blood pressure: a Mendelian randomization study in the 1982 Pelotas (Brazil) Birth Cohort, with a systematic review and meta-analysis. Int J Epidemiol. 45(5):1573-1587, 2016.
  • [30]Guo, et al. Milk and dairy consumption and risk of cardiovascular diseases and all-cause mortality: dose-response meta-analysis of prospective cohort studies. Eur J Epidemiol. 32(4):269-287, 2017.
  • [31]Boughattas, C. Toxoplasma infection and milk consumption: Meta-analysis of assumptions and evidences. Crit Rev Food Sci Nutr. 57(13):2924-2933, 2017.
  • [32]国立がん研究センター「乳製品、飽和脂肪酸、カルシウム摂取量と前立腺がんとの関連について」https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/317.html
  • [33]上野川修一/編『乳の科学』朝倉書店1996
  • [34]土屋文安『牛乳読本~だれでもわかる牛乳の新知識』日本放送出版協会2001

    情報提供、コメント、質問を歓迎します。

    (最終更新日時2018年10月7日)

投稿

投稿&回答

>「カルシウム」「乳糖」「(牛乳を含む)乳製品全般」という位置づけであり、これらの議論を牛乳の問題に特化して引用するのも問題に思います。

勘違いがあるようですが乳糖の論文を除いて、乳製品グループだけの言及ではなく、牛乳も単独に言及されています。

ハーバードの文献18
http://cancerres.aacrjournals.org/content/58/3/442.long
以上からPDFを確認できましたが、カルシウムにも、ほかの論文を参照して牛乳にも言及しています。

資料のJPHC乳製品では、上のような研究主張を追試したものだと思います。乳製品というグループの他、牛乳、チーズ、ヨーグルト、またおそらくカルシウムに換算して、それぞれについて、前立腺がんのリスクを高めるという結果を得ています。

なおも乳製品と位置づけるのであれば、乳製品の問題として扱う意義があるかもしれないとのことですが、客観的な記述となるので好ましいかと思います。

>これは牛乳に限らない問題で、(究極的には)どんなものでも過剰摂取は害になりうると思います。かといってそれを「牛乳の害」として扱うのはどうか、という上と同様の疑問が残ります。

暴飲のように過剰表現し疑問視されている根拠が不明確ですが、研究の対象は日常飲みうる範囲であり身体を壊すほどの暴飲ではないはずです。実態と離れた文章表現によってのみ却下するというのは、客観的ではないと思います。私が適切な表現を例えれば「砂糖の害が知られているので控えめに摂取しましょう」となります。

>別々のデータから相関関係を推し量っているようにみえ、牛乳の害の根拠として”弱い”と考えます。

そうですね。既に本文中でMilk, Dietary Calcium, and Bone Fracture in Womenの相関データを採用しその表現は適切かと思います。同様に扱われることが良いと思います。
(投稿者:mim,投稿日時:2017/06/16 12:10:15)

ご投稿ありがとうございます。
>「砂糖の害が知られているので控えめに摂取しましょう」
――要はこれを、「牛乳の害が知られているので控えめに摂取しましょう」と単純化できるかということになるかと思います。「牛乳有害説」としている本項目では(新谷氏などによる言説をも肯定しているという)誤解を与えかねないのでは、という印象を受けます。
そこで、たとえばご紹介いただいたJPHCのサイトにあるように、
>乳製品の摂取は控えた方がよいのか?
今回の研究では、乳製品をたくさん摂取すると前立腺がんのリスクが高くなりましたが、一方、乳製品の摂取が、骨粗鬆症、高血圧、大腸がんといった疾患に予防的であるという報告も多くあります。したがって、乳製品の摂取を控えた方がいいかについては、総合的な判断が必要であり、現時点では結論を出すことはできません。今後、乳製品の利益と不利益のバランスを明らかにするような研究が期待されます。
――こちらの総評内でも「牛乳を含む乳製品の接種にはある種のリスクも報告されているため、適切な量を守って飲むことが望ましい。」という記述を追記したいと考えますがいかがでしょうか。
[追記]
>暴飲のように過剰表現し疑問視されている根拠が不明確ですが、研究の対象は日常飲みうる範囲であり身体を壊すほどの暴飲ではないはずです。
――既出のハーバードの文献18では1日2000mgのカルシウム量とあり、これを「日常的」とするかは意見が分かれるところだと思われます。(※牛乳100gあたりのカルシウム量110mg)http://www.j-milk.jp/kenko/kenko/8d863s000000oxdq.html
ちなみに、http://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c03/01.html
のサイトでもカルシウムの許容摂取量についての情報があり、いわゆる牛乳神話のように「牛乳はとにかく健康によいのでがぶがぶ飲みましょう」という主張も有害説と同じように疑問です。
(回答日時:2017/06/19 11:10:08)

>牛乳有害説とは、「牛乳は人の体に悪い」という基本的な考えのもと、牛乳が人の健康に与える影響(特に“害”)について論じている言説である(1)。

以上のように定義されていますよね。新谷氏の文献1にそう書いてあるのではなくて、例として挙げているのでしょう。文献1だけを検証したのでは、「牛乳が人の健康に与える影響(特に“害”)について論じている言説」の全てではなく、新谷氏の説を検証しただけです。般化されすぎています。

私の意見として、下痢やアレルギーは健康への害と言えます。

文献1は2005年の一般書で、「牛乳有害説」としては、これより前の2001年にハーバード大学教授の『Eat, Drink, and Be Halty』が出版されており、提示したハーバードの栄養情報と主張は同じです。

こちらの挙げた証拠が証拠として扱われていないのではという疑問は解消され、ここの筆者の方に検討して頂いており、主観的に却下されたことで証拠とは言えないと評定されています。
証拠となりうるものだということを理解しました。

ハーバードの文献15は、12のコホート研究から、牛乳など乳製品との関連は見られなかったが、乳糖の高量の摂取が卵巣がんのリスクを高めるということですね。これは食品との関係ではなく、量によって害となるリスクが高まる性質が予想されます。文献18の返答に続きます。

文献16は、その通りで、牛乳の製法を原因とした、一般的な現代の牛乳中の女性ホルモンの影響への言及ですね。相関の研究ですね。
「さらなる研究が必要ともありますが」として、評定サイトの筆者が言わんとする具体的な言及がはしょられています。「さらなる研究が必要」は様々な論文に頻繁に書かれている文言なので、ことさら注目する理由が分かりません。何らかの秘匿された理由により、証拠として扱うことはまったくできないということでしょうか。

文献18は、アブストラクトに食品からのカルシウムによる前立腺がんのリスク増加が確認されたとありますね。ハーバードの本文では牛乳と前立腺がんの関係の出典となっています。ですので、論文本文にそうした言及が予想されます。
これについては、日本でも結果が出ています。
・http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/317.html (資料:JPHC乳製品とします)

>カルシウムの過剰摂取についての見解であり、牛乳の害というよりは乳製品全般を論じているようでして

以上のようにありますが、
資料のJPHC乳製品では、乳製品として、また牛乳として、またカルシウムとして、「健康に与える影響特に害について論じた」ものです。
ハーバードやJPHC乳製品では、食品成分を独立した因子として扱っています。食品の健康の研究ではこうした認識の仕方の慣行があり、ハーバードも同様の論文なのではと思います。
その上で、ハーバードは牛乳の害の懸念のため無理に飲む必要がないとしています。
牛乳の害として扱わない評定サイトの筆者の方のスタンスが明示されておらず分かりませんが、
少なくとも牛乳を含む乳製品の害の証拠があるとの理解に至ったのでしたら、認められる証拠があることに言及してはいかがかと思います。 (投稿者:mim,投稿日時:2017/06/15 03:12:30)

>新谷氏の説を検証しただけです。般化されすぎています
――なるほど。ご指摘はわかります。そこで、ハーバードなどの根拠を引っ張っておられるというということでしょうか?
しかし、ご自身でも書かれているように文献15、文献18の「乳糖の接種量」や「カルシウムの接種量」を「牛乳の害」の問題として特化して扱うのも難しいのではないでしょうか。元記事内でも「カルシウム」「乳糖」「(牛乳を含む)乳製品全般」という位置づけであり、これらの議論を牛乳の問題に特化して引用するのも問題に思います。また、文献16は大変ユニークな研究ですが、元論文では別々のデータから相関関係を推し量っているようにみえ、牛乳の害の根拠として”弱い”と考えます。
(※本項「牛乳有害説」について、牛乳に限らず広く乳製品全般の問題として扱うということを検討する意義はあると思いますし、そうしたご指摘は理解できます。ただその場合、「牛乳有害説」というネーミングは変更したほうがよいでしょうが)
>下痢やアレルギーは健康への害と言えます
――わかります。本項でもこうした問題を軽視している記述はないように思います。ただ、「牛乳アレルギーの人は牛乳を飲むのを控えよう」はごく穏当な意見ですが、一方で(たとえば新谷氏の説のように)社会的な問題となっているのはこうした意味ではないですよね。
>JPHC乳製品では、乳製品として、また牛乳として、またカルシウムとして、「健康に与える影響特に害について論じた」
>ハーバードは牛乳の害の懸念のため無理に飲む必要がないとしています
>量によって害となるリスクが高まる性質
――これは牛乳に限らない問題で、(究極的には)どんなものでも過剰摂取は害になりうると思います。かといってそれを「牛乳の害」として扱うのはどうか、という上と同様の疑問が残ります。
【追記】ご提示いただいたハーバード大学の元記事と、そこで引用されている文献16を見直しましたが、文献16では「食生活」と「ガン」との相関関係を推し量っているデータは提示されていましたが、「牛乳の製法」や「ホルモン関連のがん」に関する具体的なデータはAbstractからはわかりませんでした。というよりも、論文のタイトルや文中で言及されている「エストロゲン」に関するデータがAbstractでは提示されていないため、ハーバードの元記事の引用の仕方にもやや問題があるようにも思われます。 (回答日時:2017/06/15 12:25:04)

>牛乳が有害であるとの根拠をお示しください
以上の文章に何か特有の意味が込められていましたらそれを明確にして頂けたらと思います。

下痢については本記事中で無理して飲むことないとされていますが、乳糖不耐症による下痢というのは害にカウントされてはいないのでしょうか。
アレルギーについては何か例外があるようですが、
主なアレルゲンであり、またおそらく証拠をあげましたがアトピー性皮膚炎のリスクを高めます。

ハーバード大学の栄養情報のサイトを提示していますし、
その受け売りですが。
受け売りというか、研究結果に依拠した客観的なソースであり、ハーバード大学医学部に権威付けられています。
・男女においてある種のがんのリスクを高める。
・健康に良くない脂肪の飽和脂肪酸に富む。
(乳脂肪は食品では肉などより遥かに多く、7割近くが飽和脂肪酸で構成されていますから)
・そうしたリスクがありながら、牛乳を飲んでも骨折率は減らない。
こうしたリスクがありますから、他のカルシウム源がありますよということです。

これらの根拠はそちらの定義する牛乳有害説には当てはまっていないということでしょうか。 (投稿者:mim,投稿日時:2017/06/14 16:17:34)

>乳糖不耐症による下痢というのは害にカウントされてはいないのでしょうか
>アレルギーについては何か例外があるようですが
――アレルギー体質の人にアレルギー物質がよくないのはいわば”当たり前”のことでして、本項でも「アレルギー体質であろうと牛乳は飲むべきだ」との見解は示していないと考えますがいかがでしょうか。
また、
>ハーバード大学の栄養情報のサイトを提示していますし、
――とある、当該サイトの内容についてですが、サイト内では文献15(Genkinger JM, Hunter DJ, Spiegelman D, et al. Dairy products and ovarian cancer: a pooled analysis of 12 cohort studies. Cancer Epidemiol Biomarkers Prev. 2006; 15:364–72.)を引用しつつラクトース(乳製品一般)の高接種群女性における卵巣がんのリスクについて言及していますが、その研究内では関連性はなかったとしています(記事内の直後の文でも書かれていますが)。
次に、文献16( Ganmaa D, Sato A. The possible role of female sex hormones in milk from pregnant cows in the development of breast, ovarian, and corpus uteri cancers. Med Hypotheses. 2005; 65:1028–37.)を引用し、現代の牛乳のホルモン組成とホルモン関連のがんに対するリスクについて言及しています。リンク先からは元論文のAbstractしか読めないのですが、これは牛乳の製法の違い(100年前?)を問題にしているのでしょうか。ちょっとよくわからないのでお教えいただきたいのですが、Abstractによると、この研究ではがんのデータ(1993-97 from Cancer Incidence in Five Continents) と、食習慣のデータ (1961-97 from FAOSTAT) in 40 countries.という別々のデータを比較したということなのでしょうか。ただ、直後の文にてさらなる研究が必要ともありますが。
また、文献18(Giovannucci E, Rimm EB, Wolk A, et al. Calcium and fructose intake in relation to risk of prostate cancer. Cancer Res. 1998; 58:442–447.)を引用しつつ、牛乳を日に2杯以上飲む群の前立腺がん発症のリスクについて述べていますが、少なくとも元論文のAbstractをみる限り、「牛乳の害」というよりは「カルシウムの過剰摂取」を問題視しているようにも読めます。
きちんと読み取れているか不安ですが、この見解をもってmimさんのおっしゃるような牛乳は有害だとする「証拠」にはならないと考えますがいかがでしょう。
また、リンク先の主題はカルシウムの過剰摂取についての見解であり、牛乳の害というよりは乳製品全般を論じているようでして、ご指摘の内容とは若干意味がズレているとも思われます。
(回答日時:2017/06/14 23:14:48)

新谷氏のカルシウムパラドックスと乳糖不耐症の説を「牛乳有害論」だと般化させており、
「牛乳有害説の社会への応用性は低い」としています。

牛乳は『食物アレルギー診療の手引き2011』において
医療受診した食物アレルギーの第2位20.9%が牛乳が原因となっており、
害のある一般的な食物なのではないでしょうか。牛乳のカゼインがアレルゲンともなります。
牛乳タンパク質は18つの研究でアトピー性皮膚炎の発症リスクに関わっているようです。 PMID 20416019

こうしたアレルゲンとしての牛乳の指摘が必要となるのは、牛乳有害説が他にあるからですね。
筆者は新谷氏の説を、有害説などと般化させすぎて
論理が飛躍しているのではと言えます。正確な表現、網羅的な調査ではないということです。誤解を与えているということです。

骨粗鬆症財団理事長の監修の『骨粗鬆症にならない体質』には
「乳製品は骨によいのか悪いのか」という1節があり
牛乳からカルシウムを摂取することには議論の余地があると記されており、
アジア系の90%が持つといわれる乳糖不耐症、
カゼインによる皮膚炎、乳糖による卵巣がんのリスク上昇、乳牛への抗生物質の多用、
動物性タンパク質であり骨が弱る可能性があるなどの懸念があるということです。

ハーバード大学の栄養情報のサイト
https://www.hsph.harvard.edu/nutritionsource/calcium-full-story
ここでは、骨折のリスクが減る証拠もなく
卵巣がんや前立腺がんのリスクのために乳製品の摂取を避けるの懸命かもしれないと書かれています。もちろん牛乳の恩恵も書かれていますが。
「牛乳有害説の社会への応用性は低いと評価した」という結論は、調査範囲が狭いにも関わらず飛躍しているのではと言えます。

「直接的に牛乳が有害であるとの言説を支持する研究データは収集されていない」というのは、
人類知にとって収集されていないのではなくて、
ここの筆者が収集していないということでしょう。
主語が分かりにくくなっています。 (投稿者:mim,投稿日時:2017/06/14 10:33:34)

ご投稿ありがとうございます。
>新谷氏のカルシウムパラドックスと乳糖不耐症の説を「牛乳有害論」だと般化させており、
――そうでしょうか。本文にもありますが、新谷氏は「牛乳を飲みすぎると骨粗しょう症になる」(『病気にならない生き方』70ページ)と牛乳”に”害があるという因果関係を支持しています。カルシウムパラドクスや乳糖不耐症による消化・吸収の話の域を超えて「有害説を展開している」と判断するのが妥当なのではないでしょうか。
>牛乳は『食物アレルギー診療の手引き2011』において[…]
>こうしたアレルゲンとしての牛乳の指摘が必要[…]
――アレルギーについての記述は個別の評定項目に記してありますが、語句説明にも記載したほうがよさそうですね。
>牛乳有害説の社会への応用性は低いと評価した」という結論は、調査範囲が狭いにも関わらず飛躍しているのでは[…]
――逆に、牛乳有害説を社会的に肯定するメリットには何がありますか。「牛乳は素晴らしいから絶対に飲みなさい」と述べているわけではないのですが。
>ここの筆者が収集していないということでしょう。
主語が分かりにくくなっています。
――牛乳が「有害である」という根拠をお示しください。 (回答日時:2017/06/14 13:09:32)

http://kakutaclinic.life.coocan.jp/Milk-EST.htm

こちらの記事のような牛乳に含まれる女性ホルモンについて
たくさんネットに書かれています。
こちらも是非検証をお願いしたいと思います。

書かれている方がいらっしゃいますが、「乳がんと牛乳」
読みました、科学者である著者自らが乳がんと戦い、
乳がんの犯人は牛乳とつきとめ、見事に転移性の乳がんを
克服していますし、その後乳製品を除く栄養指導で多くの
乳がん患者をすくっています、大変納得できる内容でした。

私の親友が二人、若くして今年乳がんで亡くなりました、
牛乳と女性ホルモンの関係性が明らかにならないならば
乳製品はわざわざとることはないと思います。
命がけで飲む必要はまったくないと思います。
ヨーグルトで乳酸菌をとらなくても他にいくらでも
とるすべはありますし。 (投稿者:4児の母,投稿日時:2017/05/22 14:34:33)

ご投稿ありがとうございます。
記載されたサイト情報の多くはアレルギーに関する記述なので、”牛乳それ自体に害がある”ということとはまた別問題だと考えます。
ご心配されていることは、「牛乳に含まれる女性ホルモンによる影響(特に乳がん)」だと思いますが、これまでのところ、はっきりとした因果関係を示すような研究はありません。
ただし、「牛乳を飲む習慣」と「疾患」に対する統計的な議論はいくつかありまして、下記URLが参考になるかと思います。
http://www.epi-c.jp/entry/lecture_006.html

>命がけで飲む必要はまったくないと思います。
おっしゃる通りですね。健康効果を期待できるどんな食品でも、「摂りすぎ」はむしろ”害”になりうることを広く認識すべきと思います。 (回答日時:2017/05/26 14:10:40)

下の方でもコメントした酪農家です。
元作業員 さんは生乳の生産・流通の仕組みをよく理解していないようです。

>お産を迎える(迎えた?)牛には産後の病気予防のため、抗生物質の投与が認められているらしいのです。

乾乳軟膏の事かな?
乾乳軟膏はお産予定日の二ヶ月前に入れます。
で、そこからお産まで絞らない。
入れる理由は産後の乳房炎予防のためなどですね。

>そして、数日経たぬうちにその経産牛は搾乳・出荷が再開されるので、抗生物質入りの牛乳がスーパーやコンビニに並ぶというわけです。

なんでそうなるのかわからない(呆れ)
飛躍し過ぎでしょ(^^;
搾乳はお産後すぐ再開されますが、出荷はもちろん停止です。
バケットミルカーで搾るなりの方法で、5日ほどは搾り捨てです。
正常牛の牛乳を貯めておくバルククーラーには一滴も入りません。
5日ほど、と書きましたが、「5日くらい経ったからクーラーに入れていいべ!」といった目見当で出荷再開するわけではありません。
必ずその牛の生乳サンプルを取って提出します。
その結果、◯(異常なし)との通知を受けてから初めて出荷再開できるのです。
そこで×の結果が出ることもままありますし、その場合は当然出荷できません。次の日またサンプルを提出します。
下のコメントで病気や乳房炎の際の抗生物質検査について書きましたが、お産に関わる抗生物質についても同じです。
乾乳軟膏だろうが抗生物質注射だろうが、それが私たちの口に入る事はあり得ないのです。

じゃあ、そのサンプルを提出しないでバルクに入れていたら?と思うかも知れませんが、それもあり得ません。
我々が生産する生乳はタンクローリーによって数件合同で集荷されます。
当然牛乳は混ざりますが、しかし、ローリーが各農家のバルククーラーから牛乳を取り出す際、必ずサンプルを取るのです。一件ごとに。
酪農家自身が取るのではなく、運転手さんが専用の器具を使って取ります。
その後ローリーから工場へ受け入れる際にもう一度検査するので、そこで抗生物質が見つかれば誰が入れたのかは特定されてしまいます。
そしてローリーの牛乳まるまる廃棄となります。
その場合、抗生物質を混ぜてしまった農家がローリー1台ぶんの賠償を支払います。
なので、そんなリスキーな事をしてまでたかが知れた量の生乳(抗生物質入り)を入れようと思う馬鹿な農家はいません。
この抗生物質検査は0か100かみたいな検査なので、例えばたくさん搾って薄めようとしてもしっかり引っかかります(^^;



その責任者とかいう人が何を意図してそんな事を仰っているのかわかりませんが、
人づてに聞いた話だから話半分と言われても、誤った情報をネットに書いて流布されるのは生産者としては困ります。 (投稿者:長,投稿日時:2017/01/11 22:03:12)

長様
ありがとうございます。
説得力ある綿密な説明に思います。情報提供に感謝いたします。
デマ情報が流布されることに対する考えには全く同意で、個人的に、日本の科学コミュニケーションが抱えている大きな課題といえるとも思います。どうしても、「科学者(専門家)」VS「一般」という構図を(研究者ですら)見出しがちなのですが、より建設的な方向に向けての対話が必要と考えます。
その意味で、生産者という立場からの本サイトへのご助言、情報提供に、重ねて感謝いたします。 (回答日時:2017/01/11 23:00:58)

うろ覚えなので話半分でお願いします。
国内で指折りの牛乳生産量を誇るところのとある責任者から世間話の際に聴いたのが、抗生物質の入った市販の牛乳は飲まないようにしているというのです。

どういうことかというと、お産を迎える(迎えた?)牛には産後の病気予防のため、抗生物質の投与が認められているらしいのです。
そして、数日経たぬうちにその経産牛は搾乳・出荷が再開されるので、抗生物質入りの牛乳がスーパーやコンビニに並ぶというわけです。

このことから市販の牛乳には抗生物質が一切入っていないのではなく、検査対象からは外された種類または量の抗生物質以外は入っていないということです。
以上、別視点からの牛乳有害説でした。 (投稿者:元作業員,投稿日時:2017/01/02 10:34:40)

ご投稿ありがとうございます。
真偽が不明なので、何とも言えないですね。
流通の原理としてちょっと考えにくいのですが……。
この件に関しては、下にあります「長」様のコメント内容が参考になるかと思いますし、同意します。 (回答日時:2017/01/10 10:03:54)

酪農家です。
下のトントンという方が貼っていた記事について、この場を借りて一言言わせていただきたい。

リンク先の記事を拝見させてもらいました。
酪農の現場を全く知らない人間が勝手な事書いてるなあ、というのが感想です。
特に言っておきたいのは、抗生物質の件。

エサに大量に混ぜる抗生物質。。。
聞いたことがない。名前があるなら教えて欲しい。

まず、乳房炎や外傷が発生したら、軟膏等の抗生物質を使って治療します。
投与中はもちろん、残留中の牛乳も肉も出荷停止。
出荷停止期間(残留期間)は臨床的に確立されたものであり、獣医師より酪農家に都度通知されます。
検査は酪農家からローリーで出荷される時と、工場での受け入れ時に行っています。特に抗生物質のチェックは厳しく、異常のないものだけが製品化されています。
つまり、抗生物質が混ざった牛乳が消費者の口に届くことは有り得ないです。
酪農家も百万円単位で罰金取られる事をわざわざしませんから。笑



社会への公共性の項目で、生産者への傍迷惑という点も考慮して欲しいものです。。
私はたまたまこのサイトにたどり着いたのでこのデマに反論できましたが、所詮まだごく一部でしょうし。
SNSではかなり拡散されてますよね。


それと、下の方で投稿に対しての貴サイトのコメントがいつの間にか消えている現象がいくつか見られました。
返信も含めて見たかったのですけどね。。 (投稿者:長,投稿日時:2016/12/22 14:53:02)

ご投稿ありがとうございます。
そして、本当に貴重な情報感謝いたします。

酪農家の方というプロ目線で見ると、当該サイトの情報の「デタラメ」さが際立ちますね。
下のほうのコメントにも書きましたが、私も「抗生物質が牛乳に残留している」という話は聞いたことがないですし、流通の原理的に考えて、この話にはかなりの疑いをもっております。
牛乳有害説について、少なくとも、こうした「デマ」が「科学」として流布されるのは問題と思いますね。
また、たとえば学校給食で牛乳を「飲まされる」ということが問題なのであれば、変えなければならないのは「社会の認識」の方であり、これを「科学の責任」とするのには、少し無理があるとも考えます。まぁ、現在の学校給食の牛乳制度は、戦後すぐの栄養状態が危機的であった日本の子供たちに対し、GHQの政策としてもたらされたという、歴史的な経緯があり、これは前時代的とは思いますが。

※「コメントが消えている」とのことでしたが、ページ下部に1、2、3と小さく数字が振ってあり、そこから、前のコメントにさかのぼれるようになっております。

公共性の項目についてのご指摘も再考いたします。
貴重な知見のご提供、ありがとうございました。
(回答日時:2016/12/22 17:03:17)

下の方、北海道が牛乳の消費量が多いと仰っているがまったくのガセ情報で笑えます。
生産量は断トツの1位ですが、消費量は47都道府県中ずっと下位に位置している。
まぁ、だいたい疑似科学を信奉する人はこういう根拠に乏しいデタラメな連中だというのがよくわかりました。 (投稿者:長谷川,投稿日時:2016/12/20 22:21:26)

(回答日時:2016/12/21 10:52:37)

ちなみにこんな記事がありましたが、ぜひこれについても検証記事を。

「牛乳が乳がんを作る!」
http://kininal.me/milk-of-breast-cancer/ (投稿者:トントン,投稿日時:2016/12/20 11:23:31)

ご投稿ありがとうございます。
当該記事ざっと眺めましたが、かなり「挑戦的な」内容ですね。
紹介されていた個別の研究は確認していないのですが、記事中段にある、
>牛乳を飲むことでこの『抗生物質を常飲している状態』になるわけなので、乳がんの発症リスクが高まることになりかねません。
とあるのは、明確に間違いです。
この理屈が正しいならば現在地球上にある我々の食料のほとんどすべてに同じことが言えるわけですが、乳がんの発症率が極端に高くなっているわけではないですからね。
全体を通してもかなり「雑」な構成に見えますし、酷評しますが、信用するに値しない記事と考えます。
また、医療の分野で「こういう研究があるから~」という文言は、きちんと一般化されるまでは話半分に聞いておくのが妥当だと思いますね(それこそ、研究の質にかなりのバラツキがあるでしょうし)。
(回答日時:2016/12/21 10:52:07)

質問なのですが、数年前に理学療法士の方が「牛乳は腰痛の原因になる」とおっしゃっていました。
そのときの説明は、牛乳を飲むことによって牛乳の成分が腹膜を癒着させてそこが炎症を起こすから・・・というようなことを言っていた気がしますが、そのようなエビデンスは存在しますか?
よろしくお願いします。 (投稿者:ふらん,投稿日時:2016/11/15 12:20:59)

ご投稿ありがとうございます。
こちらで調べた限り、牛乳の成分によって腹膜癒着を起こすといった研究は見つかりませんでした。
一般論で、すでにご存知のことかもしれませんが、腹膜炎などをおこす方の多くは過去に受けた腹部手術が影響していると考えられています(前歴のない方も罹るそうですが)。牛乳の成分がその原因である、という主張は一般的ではないと思われます。 (回答日時:2016/11/16 13:02:32)

調査済みでありましたら失礼ですが、日本医事新報で日本茶、コーヒー、乳製品の摂取量と高齢者の骨折の相関関係を調べたデータがあるはずです。1989年の記事だったと思いますが、メディカルトリビューンからの転用で、かなり小さな扱いでした。

乳製品、コーヒーの摂取が多いほど、骨折の率が高く、日本茶はその逆という結果が出ておりました。

この件を持って、牛乳が有害であるとは申しませんが、かなり大規模な調査であったに関わらず、驚くほどマスコミや医療関係者から無視されたことは、今でも疑問に感じています。 (投稿者:toe,投稿日時:2016/11/07 19:37:59)

ご投稿ありがとうございます。
いえ、知りませんでした。
1989年の記事ですか。探してみます。
大規模調査ということですので、母集団がどのようなものだったかは気になりますね。 (回答日時:2016/11/11 10:33:34)

貴所の日頃のご活躍は素晴らしいですね。
さて、飲まざる得ない現場からお話をさせていただきます。現場と言いますと、すなわち学校です。
 休み時間になっても、牛乳パックとにらめっこをしている姿が教室で見られます。飲みたくても嘔吐感があるのだと児童は、真剣に語ります。決して、好き嫌いではないと受け取りました。まず、一口で勘弁ということで、明日はがんばれよという励ましの言葉を背に、運動場へ子は走っていきます。
 カルシウムを取るならば、煮干しでも問題は無いですね。味噌汁の中にだしとして入っています。あえて、一斉に牛乳を飲むとなると、これだけ価値観が多様化している中で、いろいろと衝突が生じます。
 子供が事故で歯を折った時には、水よりも牛乳のほうが後の処置がし易いなどと、安全なことは承知しています。学級の1割超えの食物アレルギーが急増している中で、牛乳アレルギーがちらほら出てきています。代わりに果汁ジュースが配布されています。
 0か1かという判断でなく、食物を取る側が、自分で考えて、自分で判断して行動する時代になりました。かく言う拙者も、「牛乳は、血液が形を変えたもの。牛乳を飲むことは、牛にとって吸血されると同じ。」という牛乳批判者の文章を読み、気持ちの点から飲めなくなりました。学校で唯一人の牛乳拒否が1年続いています。周囲は、下痢のせいだと理解しているようです。
 父親が、末期癌を患った時に、生理的にでしょうが、1日1Lがぶ飲みしていたこと(カルシウムによる石灰化が癌の滲出を防いでいたのでしょう)を思い出すこともあります。彼は、癌に効くと信じていましたが。
 長々と冗長な文になり、貴サイトの書き振りを見て、恥ずかしいところです。
 決めつける(信じる)ことはなく、常に議論の扉を開けて科学の真理を追求しようとする姿勢に賛同し、敬意を払います。ますますのご隆盛をご祈念しつつ。 (投稿者:Duke,投稿日時:2016/08/20 09:52:46)

ご投稿、そして、たいへん丁寧なコメントありがとうございます。 (回答日時:2016/08/23 09:16:30)

牛乳のカルシウムは吸収率が良すぎて、血中のカルシウム量が上限をすぐに超えてしまうので、脳はとりすぎだと尿に出す。今度は出しすぎて血中のカルシウムが減りすぎて、脳はもっとカルシウムを取り入れようとするが牛乳のカルシウムはもうすでに使い切ってしまっていて、どこからカルシウムを補給するかというと、骨から取り出すということになると、ある研究者が言っています。だから、牛乳消費量の多い北海道や、アメリカ、スエーデン、カナダには、骨粗しょう症が多いそうです。
その点、小魚や野菜からとるカルシウムは吸収されにくいので、血中のカルシウム量が上限を超えることはないそうです。 (投稿者:Poopnosmell,投稿日時:2016/08/09 15:26:10)

ご投稿ありがとうございます。
なるほど。そういうこともあるかもしれませんね。
「ある研究者」という方と、ご指摘されたことへの具体的なデータ等をお示しいただけると議論も進むように考えます。 (回答日時:2016/08/09 16:17:02)

このような議論を展開するのであれば、「大学」という権威を外れた場所で行っていただきたい。

少なくとも牛乳が給食として提供されている中で「牛乳を避けることは可能である」などと結論づけるような行為に客観性は感じられない。

「乳」を飲み続けることがないのはなぜかという視点もない。

牧畜という行為自体が危険であると見る視点もない。牧畜は生命を操作するという点では遺伝子組み換えと似たような行為であり、確かに人類の生命観に大きな影響を与えている。

さらに言えば、ワクチン接種などの影響も考察されていない。

個人の立場で行われるのであれば許容もできるが、大学名を出す限り、このような無責任な評論は即刻辞めていただきたい。

(投稿者:るびりんぐ,投稿日時:2016/06/01 14:07:48)

(回答日時:2016/06/01 17:29:32)

■カルシウムは必要以上に摂らないほうがいい■
カルシウム石灰化スコアをはじめ血中カルシウム濃度は低く保ったほうがよい。

骨化の面では、カルシウムの摂取よりその他栄養素の摂取のほうが100倍大切。

詳しくは下記より確認ください。
http://joushiki3.blogspot.jp/2014/10/c-no-no-no-800iud-400iu-jackson-et-al.html

(投稿者:牛乳ははっきりいって有害,投稿日時:2016/02/08 17:33:08)

(回答日時:2016/02/09 15:55:58)

ESPや水素水の「理論の論理性」が「中」だったら、牛乳有害説のそれは文句なしに「高」だろう。 (投稿者:有機化学研究者,投稿日時:2016/01/10 17:03:17)

(回答日時:2016/01/13 16:45:00)

無責任な言いようで申し訳ないのですが、この評定の文章を損ねることなく上手く表現する文言を考えたのですが、なかなか思いつかず、「栄養は吸収されるが無理に飲むことは薦めないというような一文をいれる」というような表現になってしまいました。
一応、考えてみた記述案をここに記しておきます。「理論の論理性」という評定自体の題目とは異なってしまいますが、この項目内の「乳糖不耐症がカルシウムなどの栄養素の吸収を(中略)少なくとも牛乳の場合、有害説を唱えるほど強力な根拠とはならない。 」という部分が誤解を生みそうなので。この箇所に「栄養は吸収されるが無理に飲むことを薦めるものではない」「あくまで有害説を唱えるほどの強力な根拠とはなりえないというだけであり、乳糖不耐症の場合は牛乳以外からの該当栄養素摂取も可能であるため無理な牛乳摂取は薦めない」などの注釈を入れるのはいかがでしょうか。
一案として提示させていただきましたが、文章全体がきちんと作られているので、私が変に注文を付けてしまうと全体が崩れてしまうことも考えられます。そのためあくまで一案にとどめさせていただきたいと思います。私の文章の転用もご自由に判断なさってください。
あえて私の要望といたしましてはこの評定文を損ねないようにしていただきたいという一点であります。 (投稿者:cheapie,投稿日時:2016/01/06 11:37:54)

ご返信ありがとうございます。
ご提供いただいた内容は吟味の後、評定に反映させていただきます。

(回答日時:2016/01/07 23:56:22)

「牛乳有害説」を年末の忘年会の2次会で行ったカラオケスナックのママさんが主張するので、その時は僕も「根拠」を持っていなかったのでまともな「反論」が出来ずモヤモヤして帰宅したのですが、年末年始休暇でヒマがあったのでネット検索して明治大学科学コミュニケーション研究所に辿り着きました。

そして、出典論文もすべて明らかにされている「評価」と言うか、限りなく客観性を担保したassessmentに圧倒されました。

僕は病院勤務者ですので、新谷氏に限らず、近藤誠氏のような医師もおり、それらの非科学的(疑似科学)な言説が一般社会に広がっていることに強い危機感がありました。
医学界ではEBM(Evidence-Based Medicine)がごく当たり前に教育される時代になっています。
僕の病院も臨床研修指定病院として毎年数名の研修医を受け入れて来ましたが、これほどEBMを乱暴に無視した議論は看過できないし、研修医・患者さんにも悪影響が大き過ぎます。

いかに「言論・出版の自由」が憲法で保障されているとはいえ、科学的根拠の無い「自説」を流布するのは犯罪的であると僕は考えています。

明治大学のこのHPに掲載された記事は大晦日から今日まですべて読了しました。

全面的に賛同します。

また、この素晴らしいHPを多くの職員(約3800人)にも知ってもらえるようにイントラネットでも紹介しました。
無断でご紹介した非礼をどうかお許し下さい。

僕の勤務病院にも明大出身者が医事課におりますが、明大はすごい社会活動をしていると思います。これこそ、「最高学府」としての真骨頂だと思います。

研究所の益々のご発展を新年の祈りとしたいと思います。
(投稿者:飲兵衛,投稿日時:2016/01/03 17:41:31)

ご投稿ありがとうございます。
今後も本研究をよろしくお願いいたします。
本ホームページを上手にお使いください。また、積極的な参画もお待ちしております。
ありがとうございます。 (回答日時:2016/01/05 23:36:21)

全体の内容はいいとおもいます。
ただ、乳糖不耐症について栄養学面のみで議論を終わらせるのは危険ではないかと思いました。
『乳糖不耐症や牛乳アレルギーのような特定の疾患は別として、牛乳そのものが人間にとって有害であるという言説に有用性を見出すことは(現在のところ)難しい。』と最後に書かれているのでちゃんと読むと大丈夫ですが、読み手の受け取り方しだいでは、「栄養はとれるのだから牛乳を飲んで下痢になっても健康上の問題はない。」と思われかねないように思います。
QOLの観点からも、『有害説を唱えるほど強力な根拠とはならない』で終わらせることなく、栄養は吸収されるが無理に飲むことは薦めないというような一文をいれることはできなかったのでしょうか。
そうでなくては、ただ反論したいというだけで、読み手など無視しているような印象を受けてしまいます。
科学検証一辺倒になると、得てして本来道具であるはずの科学が目的となってしまうのではないかと愚考いたします。 (投稿者:cheapie,投稿日時:2016/01/02 07:59:12)

cheapie様
ご投稿ありがとうございます。
ご指摘の件、確かにそういう印象を与えかねない文体となっていますね。適切なご指摘、ありがとうございます。
そこで、たとえばcheapie様の前回の投稿の一節を転用する形(おそらく注に落とすことになりそうですが)で該当箇所の改訂を行ってもよろしいでしょうか。
もしくは、該当箇所についてcheapie様に記述案などがあればご提示いただければと思います(このように書くと、挑戦的な表現と思われるかもしれませんが、こうした閲覧者様方との試み(参画)こそ本研究の目指すところでありますので、ご容赦ください。むしろ好意的に書いているつもりですらあるのですが、文章にするとやはり冷たい印象を与えてしまいますね……苦笑)。
(回答日時:2016/01/05 23:56:19)

ご苦労様です。

情報提供です。
乳ガンと牛乳という本があります。
また新谷氏よりも以前から牛乳に疑問を呈していた人として、島田彰夫氏がいます。 (投稿者:栄養士,投稿日時:2016/01/02 00:20:41)

ご投稿、また、情報提供ありがとうございます。
都度、参考にさせていただきます。
今後も本研究をよろしくお願いいたします。
(回答日時:2016/01/07 23:37:13)

このサイトの読み物に牛乳がガンを誘発するとかかれており、脂質の採りすぎになるためとかかれています。
http://macrobiotic-daisuki.jp/aboutmilk01-2594.html

この記事についてどう思われますか?

個人的には、牛乳好きなのでそんなことはないと信じたいのですが、、、 (投稿者:ターボー,投稿日時:2016/01/01 22:08:58)

ご投稿ありがとうございます。
当該記事ではかなり極端に脂肪=牛乳とされていますね。
論旨がつかみにくい内容でしたが、要はコレステロールについて語っているんですかね。
他の閲覧者様方の意見もうかがいたいですね。 (回答日時:2016/01/07 23:31:32)

 ご丁寧な返信いただきありがとうございます。
 わたしのつたない文章でもお使いいただけるようでしたら結構です。
 最後の文章の改変ですが、前段でも述べておりますように、牛乳有害説はむしろ社会にとって害である(牛乳有害説有害説)といったニュアンスをにじませたつもりです。管理人様のほうで、柔らかい表現が望ましいと思われるようでしたら、改変いただいて構いません。
 今後の当サイトのさらなる発展を祈念しております。 (投稿者:anonymous,投稿日時:2015/12/01 16:58:43)

ありがとうございます。
応用性の項目に編集協力:anonymous様とクレジットさせていただきます。
ご都合が悪ければ、おっしゃっていただければ削除いたします。
今後もよろしくお願いいたします。 (回答日時:2015/12/06 20:21:12)

 早速のご返答ありがとうございました。また、訂正のご検討ありがとうございます。
 さて、「社会への応用性」についてですが、評定のコンセプトとしては「将来にわたりこうした効果は、社会的に利用可能であると推測できるか。実際のところは効果がないのに、誤解のうえで利用される恐れはないか。」とございます。これをもとに拙劣ではございますが、文案を作成いたしました。
 「牛乳有害説の社会への応用性は低いと評価した。上述のとおり、有害説は論理性が乏しく、根拠として用いられているデータも客観性に欠けたものである。しかし、本言説が広まることにより、実際に害はないにもかかわらず牛乳を忌避する人が増える可能性がある。日本人においてはカルシウム摂取量の不足が指摘されており、良質なカルシウム源である牛乳を他の食品と併せて適量摂取することはむしろ望ましいことである。乳糖不耐症や牛乳アレルギーのような特定の疾患は別として、牛乳そのものが人間にとって有害であるという言説は社会にとって益をなさないと考えられる。」
 自分で書いてみて「疑似科学」と評定されたものの「社会への応用性」を述べる難しさを感じました。上述の文章もほぼ「公共性」について述べてしまったものになっています。他項目のご執筆でもご苦労なさっているのでは思われます。いさぎよく「疑似科学なので応用性はない」とかにしてもよいかと思います。
 不勉強なため、「社会への応用性」評定の出典となった村上陽一郎先生の書籍は読んでおりませんので、当を得た記述になっていないかもしれません。その場合は申し訳ございません。これから出典の書籍を読んで勉強させていただきます。今後とも宜しくお願い申し上げます。 (投稿者:anonymous,投稿日時:2015/11/27 17:18:06)

ありがとうございます。
文体、内容ともにすばらしいです。
参考文献などの書誌事項をこちらで確認の後、anonymous様の記述に差し替えさせていただいてもよろしいでしょうか?
また、その際、最後の部分だけ、
牛乳そのものが人間にとって有害であるという言説は社会にとって益をなさないと考えられる。
⇒牛乳そのものが人間にとって有害であるという言説に有用性を見出すことは(現在のところ)難しい。
としたいと考えるのですが、いかがでしょうか(非常に細かいことですが苦笑)。
ご意見お聞かせ願えればと思います。 (回答日時:2015/11/28 11:52:14)

 興味深く拝読いたしました。
 全体を通して、他の記事と同様とてもよくおまとめになられていますが、評定の一部、とくに「社会への応用性」の文章について、論旨が不明瞭な印象を受けました。他の文章と書かれた方が違うのでしょうか?
 例えば”~説が、社会的に応用性があると考察できる可能性は低い。”との記載がございますが、これは単に「応用性が低い」ということでよいかと思います。第2パラグラフにおける「適量摂取~」の一文も、不要かと思われます。最後の文章も、”応用性”に”説得力がない”との記載が不自然に感じます。
 また、注12においても、「ホモジナイズ」=「牛乳の事」と読める文章になってしまい、読者に誤解を与える内容かと思われます。ノンホモ牛乳も、まずはノンホモジナイズド牛乳と略記せずに記載した方がよろしいかと思いました。また、”両者は主に「殺菌法」という意味において特に意を異にする)。”とございますが、この文章も論旨が不明瞭だと思います。ホモジナイズド牛乳とノンホモジナイズド牛乳の違いは、脂肪球の細粒化の有無であり、殺菌法が異なるのは二次的な要素にすぎないと考えます。
 
 あと、細かいところですが「データの客観性」のところで、ホモゲナイズとありますが、通常homogenizeは、カタカナではホモジナイズと表記されるようです。文章内での統一を図られたらいかがかと存じます。

 長々と細かいことを申して、大変恐縮ではございますが、疑似科学を評定するための文章が読者に多義的にとらえられてしまうことで、さらに不要な議論を呼ぶ可能性があると考え指摘させていただきました。貴ウェブページのさらなる充実を期待しております。指摘させていただきました点についてご考慮いただければ、当投稿は投稿欄に掲載いただなかなくて結構です。 (投稿者:anonymous,投稿日時:2015/11/26 18:04:13)

anonymous様
構成や誤字に関するご指摘と、「社会への応用性」がわかりにくい、とのご指摘ですね。
ありがとうございます。
まず、誤字、構成等にかんしましては、確認ののち、適宜訂正させていただきます。
「社会への応用性」に関してですが、構成等については見直しいたします。そのうえで、anonymous様でしたら、牛乳有害説における「社会への応用性」では、どのような論旨・記述に変更することが望ましいと思われますでしょうか。もしアイデアがおありでしたらお教え願えればと思います(※こういう返答に、もしかしたら挑戦的な印象をお受けになるかもしれませんが、そのような意識は全くありませんで、むしろ、よい方策があれば、むしろどんどんご教授願いたいという本研究の意義にかかわる興味からでございます)。
よろしくお願いいたします。
ありがとうございます。 (回答日時:2015/11/27 13:39:41)

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