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健康食品は医薬品ではない!~~広告の見方を知っておこう~~

image・右の図は、ごく一般的なサプリメントの広告です。販売元の会社では、次のようにこの商品を説明しています。説明文を読んで、下記のポイント1~ポイント4について考えてみましょう。


この「若さの魔法陣」には、現代人に不足しがちな15種類もの栄養成分が含まれています。わが社の主力商品であり、これまで多くの方からご愛好いただいてきました。このサプリメントを飲むことで、現在日常生活に不安を感じている人だけでなく今はまだ健康な人も「将来にわたってより健康な心身」が得られることでしょう。価格も80錠で8640円と、他のサプリメントと比較して安価に抑えており、お手頃に購入できます。

ポイント1:「売り上げ」の考え方

  [問] このグラフは何を表しているでしょうか。

    A.この商品の人気が年々上がっているということ
    B.過去五年でどれくらい売れたかということ
    C.この会社がどれくらい成長しているかということ

   ※選んだ選択肢をもとに、理由を考えてみましょう。

ポイント2:愛用者の感想

  [問] 左の感想が、このサプリメントが多くの人に支持されてい
     る根拠とならない理由を考えてみましょう。


    A.誰が書いた感想なのかわからないから
    B.感想を書いた人が愛用者だから
    C.感想は、個人の主観に過ぎないから

   ※選んだ選択肢をもとに、理由を考えてみましょう。
    ヒントはコチラです。

ポイント3:論理の飛躍

皆さんは、下の図にあるような成分がギッシリ詰まっていたら、どう思いますか?

 【図】

「よくわからないけど、何か凄そうな気がする」や
「これだけのさまざまな成分が入っているなら健康になれそう」
などと考える人もいるかもしれません。

とくに、「老化を防ぐ」「体脂肪が気になるあなたへ」などの宣伝文句といっしょに書かれていたら、このように思うのも無理ないことでしょう。

しかし、実際のところ、こうした成分が「何を意味するのか?」について、広告に書かれていることが事実とは限りません。こうした広告を正確に読み取くためには、一度立ち止まって考え直す必要があるのです。たとえば、ある健康食品広告で、

 年齢とともに「○○(物質名)」が減少しています。

という文言があったとします。

この広告の行間を読むと……

 ⇒ヒトの体に○○が不足しており、すぐに補給しなければならない!!

となりますが、

しかし……
・単に、年齢とともに○○が人体に必要なくなってきただけかもしれない
・○○だけ採れば解決するのか
・○○を採りすぎることで、体のほかの部位へ悪影響を及ぼすことはないのか
・そもそも、○○が減少することはそんなに「悪いこと」なのか
などの疑問も浮かびます。

本来であれば、丁寧な解説があって初めてこの商品広告に「価値」が生まれます。しかし現在、多くのサプリメント広告ではこうした過程を大幅にはしょるという「論理の飛躍」がみられ、消費者に対して親切とは言い難い状況となっています。

こういう広告を見かけたら、その成分と謳われている効果の関係を一度じっくり考えてみてください。小難しい物質名など無視して、その宣伝広告が「何を意味するのか」だけを考えてみるのもよいでしょう。

ポイント4:権威の利用

以上のように、広告で述べられている宣伝文句には注意すべき点が多くあります。

とくに、最近のいわゆる健康食品の広告でこの傾向が目立ちます。ここでは最後に、こうした宣伝に利用される「権威」について考えてみましょう。

皆さんは、下のイラストのような人物(画像元:いらすとや様)に対してどのような印象を抱きますか?(カーソルをイラストにあててください)

○○という物質は現在多くの科学者が研究しており、とても注目されています。マウスを使った基礎研究では何度も肯定的な実験結果が出ています。今後の発展が楽しみな領域です。

こうした人物を、私たちは感覚的に信用するという「白衣効果」がよく知られています。白衣を着た人に対して、知的で、権威的なイメージを抱いてしまうということです。

私たちのこうした「思い込み」は、広告にもうまく利用されています。たとえば上の発言(カーソルをイラストに合わせてください)ですが、この白衣の男性は自分が何の専門家か名乗っていませんし、そもそも○○という物質が「何を意味するのか」もわかりません。また、基礎的段階の実験に成功したからといってそれがすぐに商品に応用される(応用できる)わけでもありません。

要するに、この人物の発言が「商品の信頼性」を請け負っているわけではないのです。

商品の広告に、タレントなどの著名人、医者、科学者、大学教授、弁護士が使われることはよくありますが、ここには「この商品を信用させよう」という売り手の意図が垣間見れます。なかでも特に、「科学」であることを信用させるには医者や科学者、大学教授を用いるのがもっとも効果的で、実際この手の広告は溢れています。

「✕✕賞受賞」といった文言も同様です。

  いかにもソレっぽい賞を受賞している商品も多々ありますが、「何を基準
  に」「どういう理由で」
選ばれたのか、よく見極める必要があるで
  しょう。
  仮に、応募すれば全員受賞できる賞だとすると、それに「価値」があると
  は言い難いですよね。

このように、広告に描かれているのは事実だけでなく、同時に「売り手の意図」でもあり、それを読み解くことのできる能力が、今私たちに求められているのです。

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