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UFO

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言説の一般的概念や通念の説明

語句説明

UFOとは本来、未確認飛行物体(Unidentified Flying Object)のことで、空中に浮遊する正体不明の物体を示す。その本来の意味では数多くの報告があり、未確認の飛行物体があると考えられる。しかし本項目では、UFOを「異星人の乗り物」という通俗的な解釈で取り扱う。つまり、現在の人類よりも高度な文明をもつ生物がどこか他の星に生息しており、UFOに乗って地球に飛来しているという言説の科学性を評価する。

目次:

1.文化によって姿が異なる異星人
理論の観点:論理性(中) 体系性(低) 普遍性(低)

2.目撃証言だけでは評価できない
データの観点:再現性(低) 客観性(低)

3.異星人=幻覚のほうが説明力がある
理論とデータの観点:妥当性(低) 予測性(低)

4.公的なプロジェクトもあるが、成果はほとんどない
社会的観点:公共性(中) 歴史性(低) 応用性(低)~(中)

総評:疑似科学



理論の観点:

論理性(中)

  宇宙のどこかに人類以上の文明をもっている生物がいるという仮説は、可能性として考えるならば妥当なものと思われる。しかし、宇宙の時空間的広さを考えると、その生物が今ここの我々の地球に来ることができるかといえばはなはだ疑問である。

体系性(低)

  異星人が地球に来ているとした場合、これまでの伝統的な物理学では受け入れられない「ワープ航法」などのSF的移動方法が必要となり、現在の物理学とは整合的でない。「人類以上の文明をもつ異星人は我々が想像もつかない技術をもっている」という前提が、理論を吟味する視点を見失わせ、疑似科学をもたらしやすくしていることに注意すべきである。

普遍性(低)

  UFO=異星人の乗り物という説は、たとえば、UFOが日本より欧米で多く目撃される傾向をうまく説明できず普遍性が低い。その点、「幽霊に遭遇したという主張が宗教的に容認されにくい文化圏でUFOとして目撃される」という説は注目に値する。金縛りが日本では地縛霊の仕業で正当化されるが、欧米では異星人にUFO内で身体検査を受けたとなりがちであるからだ。

  また、UFOに伴って「異星人を取り締まる黒服の男たち(メン・イン・ブラック)」が目撃される事例が多いが、社会から逸脱した想像が、社会に合わせるように動いた結果としての象徴の現れと解釈できる。黒服の男たちの登場などは現在の日本社会ではまったく意味がわからない現象であり、文化的影響が色濃くうかがえる。



データの観点:

再現性(低)

  UFOの目撃が散発的であるため、継続して観察して真偽を確かめるという手順が行えない。これまで得られているデータの再現性は低いと言わざるを得ない。

客観性(低)

  UFOに関する主張は、機影の目撃や写真撮影、異星人との遭遇体験からUFOに乗りこんだ体験までさまざまある。これらは個人的な体験がほとんどであり、観察データとしては客観性が低い。誤った記憶や捏造された写真にもとづく主張もある中、客観性の高いデータを探すのは困難である。



理論とデータの観点:

妥当性(低)

  UFOの目撃や遭遇体験はごく少数の人に起きているので、それをもって異星人の存在とするには無理がある。物的証拠が収集されてない現状では、幻覚起因説によってそれらの体験を説明するほうが妥当と考えられる。つまり、ある特殊な精神状況に陥った人々がUFO体験をしているならば、UFOは幻覚だったという仮説に分がありそうなのである。

予測性(低)

  UFO=異星人の乗り物という説は、いつどこにUFOが現れても、それは異星人の意思として片づけられてしまうので、予測性に欠けている。むしろ、幻覚起因説のほうに将来の目撃報告に関する予測性がある。目撃者の性格や精神状態の統計的な傾向性が今後説明されるかもしれない。



社会的観点:

公共性(中)

  現在、「異星人の乗り物」が地球に飛来しているとすれば、軍と民間の航空管制網により観測にかかると思われる。かりにその管制網をくぐり抜ける高度な技術をもっている宇宙人ならば、人類とオープンにコンタクトしてこないのが不思議だともいえる。仮に異星人が存在してUFOに乗って地球に飛来しているのならば、現代社会ではそれを確証できる態勢が一応は整っている。

歴史性(低)

  天体観測の技術を利用し、宇宙のどこかに知的文明が存在するどうかを探すSETIプロジェクト(Search for Extra-Terrestrial Intelligence)も進行しているが、現在のところ異星人存在の痕跡は見つかっていない。検討を重ねた歴史を通して、今のところ異星人は地球に来てはいないと考えられている。

応用性(低)~(中)

  UFO=異星人の乗り物という説が社会的に役立つとは考えにくいが、一方でこうした説が社会に何らかの悪影響を及ぼす可能性もまた低い。個人で信奉するだけであれば無害な主張といえる。また、異星人=幻覚起因となれば体験者の精神状態を分析し、問題を緩和する手がかりとして応用できる可能性もあるだろう。



総評:

疑似科学

星人がUFOに乗って来訪しているということには科学的根拠がなく、こうした見方は現在のところ疑似科学である。しかし、UFO体験を分析することにより、たとえば精神疾患の分野などで有効活用するという方向性は考えられそうである。



参考文献


石川幹人『超常現象を本気で科学する』新潮社2014

情報提供、コメント、質問を歓迎します。

(最終更新日時2018年10月8日)

投稿

投稿&回答

UFOというネーミングの名付け親は、日清製粉ではなく、
米空軍のUFO研究チームのリーダーのようです。
――――――――――――――――――――――――――
「UFO」の名付け親は、エドワード・ラッペルト大尉という米空軍の将校で、「プロジェクト・ブルーブック」として知られる、もっとも大規模なUFO研究の取り組みで初代の責任者を務めた人物。 米空軍によるUFO研究は1947年にスタートし、その後20年以上にわたって続けられ、研究チームのもとには、合わせて1万2618件の目撃情報が寄せられた。 https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180102-00010003-esquire-life (投稿者:ジュウレンジャー,投稿日時:2018/02/25 12:27:35)

ご投稿ありがとうございます。
なるほど。勉強になります。
(回答日時:2018/03/07 22:45:11)

日本の防衛省に相当する省庁が、
UFO現象の調査を行っていたとは驚きです。

もっとも、
「予算の拠出に値する、もっと優先度の高い問題がほかにある」との判断で(笑)調査は2012年に打ち切りになっています。
UFO現象も謎ですが、UFO問題に真面目に?取り組むUSA現象も、それ以上に謎めいていると思いました。
**************************************************
2017.12.18 Mon posted at 11:38 JST(CNN)
米国防総省が極秘のUFO研究プロジェクトを立ち上げ、
兵士らが空中で遭遇した未確認現象について調査していたことが明らかになった。
https://www.cnn.co.jp/fringe/35112093.html

2017.12.19 Tue posted at 14:25 JST(CNN)
米国防総省で極秘のUFO研究プロジェクトの責任者を務めていた元高官が18日、CNNのインタビューに応じ、https://www.cnn.co.jp/fringe/35112181.html

2017年12月18日(月)15時00分
国防総省が調査したUFOの一つは、オーラを放ちながら回転し、高速で飛んでいた。海軍機F/A-18スーパーホーネットが捉えた映像 http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/12/ufo.php

太陽系の外からやってきたナゾの天体、宇宙人の探査機の疑いで調査へ2017年12月14日(木)19時20分
スティーブン・ホーキング博士率いるブレークスルー・リッスンは11日、米ウェスト・バージニア州にあるグリーンバンク望遠鏡を使い、このナゾの物体から電波信号が発せられていないかを探る意向を明らかにした。
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/12/post-9120.php

(投稿者:ジュウレンジャー,投稿日時:2017/12/28 22:33:18)

ご投稿ありがとうございます。
有益な情報提供に思います。ありがとうございます。 (回答日時:2018/01/05 12:30:27)

以前、偶然見つけたこのサイトは、時折覗いて参考にさせてもらっています。医療機関に勤務している関係で、疑似科学は無視できないものだからです。(今回投稿するUFOは関係ありませんが‥)
UFOとういのは夢のある話なので興味深いものではありますが、同時にいわゆるガセネタが多い分野でもあると思います。疑似科学全般に言えることですが、科学的根拠や検証よりも人間の夢や願望、欲望が強く反映されており、UFOの分野においては特に夢や願望の影響が大きいように思われます。(もちろん、夢や願望そのものは否定されるものではありません)

さて、以前投稿されていた、メキシコ空軍が撮影した映像ですが、あれはメキシコ湾のカンタレル油田の光(熱)と考えてほぼ間違いないようですね。詳細については「超常現象の謎解き」というサイトを参照していただければと思います。すでに検証が終わっていたならすいません。 (投稿者:さすらいの馬券師,投稿日時:2017/06/16 18:52:50)

ご投稿ありがとうございます。
紹介いただいたサイトはASIOS関連のサイトですね。 (回答日時:2017/06/19 10:55:39)

ICBMの発射基地での事件および、ICBM発射実験での事件についてのCNNのニュースです。
https://www.youtube.com/watch?v=o6IlFEaxS6k (投稿者:Bluedragon,投稿日時:2017/03/28 13:20:43)

ありがとうございます。
確認してみます。 (回答日時:2017/03/31 20:08:02)

アメリカのICBM実験記録担当者が公開したフィルムでは弾頭がUFOに破壊される映像が映っています。
また、ICBMの基地での勤務中に、UFOが出現したときの深刻な状況について語る将校の証言フィルムを見たことがあります。
さらに、CNNに、この二人が出演しているフィルムもありました。もちろん、退役してからですが。
これら、3つの映像は以前、ネットで見ることができました。
こちらのサイト運営者様はこれらの映像はご覧になったことはありますか?
僕は、日本のテレビではたけしのでお茶の間UFOぐらいしか、見たことがないのですが・・・。 (投稿者:Bluedragon,投稿日時:2017/03/12 15:20:25)

ご投稿ありがとうございます。
いえ、知りませんでした。まだどこかでみられるのでしょうか。 (回答日時:2017/03/23 22:05:30)

科学コミュニケーション研究所、とありますので、
コミュニケーションによって信じさせられる
虚偽、という主題なのかと思いますが。

色々なサイトを巡っていると、UFOは
第二次世界大戦でドイツが開発した乗り物とあります。
図面や写真等あったと思います。

YouTubeでは宇宙飛行士が沢山のUFOが
スペースシャトルの周りを飛んでいるのを
見て驚いている様子があります。
他にも火星の表面を動く物体など・・

これらを全て嘘と断じるのは
かなりの労力がいると思います。

NHKで昭和初期を舞台にしたドラマを
放送するのは、今後の貧しさに慣れさせる
意図があると思いますし(というか既に
そうなりましたが、)宇宙人関連でも
少しずつ情報公開して行っているのでは
ないでしょうか。

(メディアがそういう役割を持っている
という観点で考える場合です) (投稿者:popopo,投稿日時:2016/05/19 22:58:57)

ご投稿ありがとうございます。
なるほど。定義として、そういう立場もあるのですね。
(回答日時:2016/05/20 11:32:54)

論理的で興味深い数々の記事、拝見しました。
ありがとうございます。
貴研究所のご活動を今後も楽しみにしております。

UFO(異星人)の記事を読み、感想を述べさせていただきます。

結論に同意させていただきます。
以下、感想となります。
UFO等を実在するとするデータや論拠(光源誤認識動画)などが非論理的でありますし、ロマンティックではないといつも感じています。

私の持論ですが、
・地球もしくは異星人の居住星に人類もしくは異星人が先に到達した時点で、圧倒的な科学力の差により、対等な状態でのコンタクトは実現しえない。
(映画にあるような、仮に人類と似通った価値観をもち利害が衝突した場合に戦闘となった際。これらの決着が英雄の活躍や幸運、偶然、もしくはその時点の科学力での試作兵器の使用等で逆転するような僅差で戦闘が帰結するような双方の科学力の格差である可能性は極小)

・異星人があまりにも人類に相似しすぎている。
生命の構成要素が類似する可能性も極小。例えば、存在の認識についても、視覚だけを捉えた場合、人類は置かれた環境により「光」を視覚化する受容体を得ているが、光を透過しない(目視で認識できる)物質で構成された異星人である可能性も低いと思われる。逆に人類が異星人から「見えない」どころか、生命として認識されない可能性も高い。

・そもそも、UFOが人類を誘拐したり、地球の調査などを行うという設定があるが、そういった思考自体が人類の思考の範疇であり、生命の形態が違えば、その行動や意志といったものは、我々人類の想像を絶するものである可能性が極めて大である。

他にも多々ありますが、
疑似科学としてUFOの役割に期待するものとしては、今後の科学の発展に繋げるために、より子供や学生の科学的・知的探求心を刺激するような、人類の想像を絶するほどの創造的でロマンティックな物語となることを望んでいる次第です。

(投稿者:murakumo,投稿日時:2016/03/18 19:29:14)

ご投稿ありがとうございます。
適切かつ鋭い見解に感じております。
(回答日時:2016/03/22 18:59:43)

技術的特異点の問題やワープも量子力学では可能ではないかということになっていまがどう思いますか? (投稿者:あ,投稿日時:2016/02/28 19:57:48)

理論的な可能性はともかくとして、実際の現場において、現在の量子力学がそこまで進んでいるとはちょっと考えにくいです。
どうなのでしょう。 (回答日時:2016/03/02 20:57:11)

『「地球人類には想像もつかないレベルの文明を持った異星人」が存在しうるのだから、何万光年の彼方から地球までやってくることもあり得る』という趣旨のコメントが散見されます。
確かに、我々の科学を遥かに上回る技術力を持った文明が存在する可能性を否定することは出来ませんが、どれほど高い技術力を持っていても、《エネルギー保存則》や《光速を超えた運動の禁止》など、物理学の基本法則に従わざるを得ないと(科学であることを標榜するならば)考えるべきでしょう。

「物理学の基本法則を越えるような科学」を前提にする事自体が、擬似科学ではないでしょうか。
(投稿者:ういろう,投稿日時:2016/02/19 13:15:28)

私は、ご指摘の内容に同意いたします。
ご投稿ありがとうございます。
(回答日時:2016/02/22 13:25:19)

魚を釣っている人間。この場面を想像してみてください。魚を人、人間を宇宙人に置き換えましょう。釣られた魚は何が起きたのかは理解できないでしょう。たかが猿に毛が生えた人間の頭脳です。いくら客観的に見てもわからないものはわからない。 (投稿者:ミンピ)

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