鍼灸は疑似科学？針やお灸は本当に効果があるの？

鍼灸は疑似科学なのでしょうか？針やお灸は本当に効果があるのかどうかについて説明します。

鍼灸の効果について

鍼灸は、古代中国から始まった伝統的な東洋医学の一つであり、針を刺して身体のバランスを整えることによって、さまざまな病気や症状を治療するとされています。

一般的には、鍼灸は痛みやストレスの緩和、免疫力の向上、不眠症、うつ病、不妊症などの症状の改善に効果があるとされています。また、鍼灸によって血行やリンパの流れが改善されることで、炎症の緩和や代謝の促進、免疫力の向上につながるとされています。

さらに、最近の研究により、鍼灸が脳内の神経伝達物質の放出を促進することで、痛みの軽減や不安やうつ症状の改善にも効果があることが示されています。

ただし、鍼灸の効果については、個人差がありますし、医学的な根拠が不十分な場合もあります。したがって、鍼灸を受ける際には、経験豊富な鍼灸師による適切な施術を受けることが重要です。また、病気や症状がある場合には、専門家の指導を受けることが必要です。

鍼治療とは

鍼治療は、鍼を用いて身体の調整や症状の改善を図る伝統的な東洋医学の治療法の一つです。鍼は細い針状の金属製具で、皮膚や筋肉、経絡（経絡は東洋医学でいう、身体内をめぐるエネルギーチャネル）に刺激を与えます。

鍼治療では、まず患者の症状を聞き、問診を行います。その後、鍼を使用して身体に刺激を与え、身体のバランスを整えることを目的として施術を行います。鍼は患者の症状や状態に合わせて、皮膚に浅く刺す場合も、深部の筋肉に刺す場合もあります。また、鍼に加えて、灸（お灸）や刺絡（刺激を与える場所を特定した鍼治療）などの補助的な治療法が併用されることもあります。

鍼治療は、痛みや不調を改善するために行われることが一般的です。例えば、腰痛、肩こり、頭痛、不眠症、不安やうつ症状、生理痛、更年期障害、アレルギーなど、幅広い症状に対して効果があるとされています。ただし、鍼治療には、副作用やリスクもあるため、施術前には必ず医師や鍼灸師と相談し、適切な施術を受けるようにしましょう。

お灸を用いた治療について

お灸は、東洋医学の一つで、艾草（あいそう）を乾燥させたものを使って身体の調整や症状の改善を図る治療法です。お灸には、直接皮膚に熱を与える温熱法と、燃やした艾草の煙を使う煙熱法の2つの方法があります。

温熱法では、お灸を身体の痛みのある部位に当て、艾草から発せられる温熱刺激を利用して、筋肉や関節の緊張を緩和し、血行を促進することができます。煙熱法では、お灸を特定の経絡（経絡は東洋医学でいう、身体内をめぐるエネルギーチャネル）に当て、煙の成分によって経絡の流れを整えることができます。

お灸は、腰痛、肩こり、頭痛、冷え性、生理痛、不眠症、不安やうつ症状など、様々な症状に効果があるとされています。また、免疫力を高める効果や、ストレスや疲労の軽減にもつながると考えられています。

ただし、お灸には、熱によるやけどや煙による喉の刺激、アレルギー反応などのリスクもあります。お灸を行う前には、医師や鍼灸師に相談し、適切な施術を受けるようにしましょう。また、妊娠中や熱を持っている時など、お灸を受けることができない場合もあります。

鍼灸は疑似科学で効果なし？

鍼灸は古くから行われてきた治療法ですが、疑似科学で効果がないと主張する人もいます。

実際に鍼灸は効果があるのでしょうか？結論から言うと鍼灸の効果は認められており、WHOも正式に効果があると認定しています。また、中国では鍼灸を大学で教えており、日本だけでなく世界中で治療法として用いられています。

https://www.jsam.jp/pdflib/kiso_p28.pdf

ただし、西洋医学と違って鍼灸治療は一定の効果があるわけではありません。たとえば、西洋医学の場合、どの薬をどの程度飲んだら、どれぐらいの期間の間に一定の確率で特定の病気が治ると実験で確かめられていますが、鍼灸ではそういった科学的エビデンスがありません。

針を刺したら肩こりや腰痛が一発で治る人もいれば、全く効果がない人もいます。鍼灸は一定の効果が認められているものの、西洋医学は全く違う概念なので、そこは抑えておく必要があると思います。