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水素水

言説の一般的概念や通念の説明

語句説明

素水とは、①圧下で水素ガスを水に充填する、②マグネシウムと水、あるいはアルミニウムと酸化カルシウムと水の化学反応により水素分子を発生させて溶存する水素分子濃度を高める、③水の電気分解により陰極側に発生した水素分子を利用する、などの方法によって生成された水素分子の濃度を高めた水を意味する[1]。
  このうち、特に③の方法によって生成された水について「活性水素水」あるいは「電解還元水」「アルカリイオン水」などと呼ばれることもある[2]。本項では、水素水の経口摂取などによるヒトへの健康効果について評定する。

  現在、社会的に水素水の健康効果として謳われている主張は多岐に渡る。たとえば、パーキンソン病や糖尿病、メタボリックシンドロームやリウマチ、ED(勃起不全)やアンチエイジング、がんへの予防効果などである[3]。こうした健康効果が広く謳われるようになったのはごく最近のことで、2012年頃からテレビや雑誌などを中心に取り上げられたことで徐々に一般に広まったとみられる[4]。関連した水素製品も開発・販売されている。

  本評定では、こうした健康効果主張の背景にある研究として、次の2件の包括的レビューに記載されている、ヒトを対象とした個々の研究文献を主に参照する。ただしこの2件は、まとめ論文ではあるが、医学的に信頼性の高いメタ分析研究ではないことに注意されたい。また、本研究による調査では、2018年4月時点において、ヒトを対象とした水素水の健康効果に関するメタ分析研究は見つけることができていない。

1)Ichihara et al. “Beneficial biological effects and the underlying mechanisms of molecular hydrogen–comprehensive review of 321 original article”, Medical Gas Research, 2015
2)Nicolson et al. “Clinical Effects of Hydrogen Administration: From Animal and Human Diseases to Exercise Medicine”, International Journal of Clinical Medicine, 2016

  上記1)、2)によると、2007年から2015年6月までに321件の水素水研究が報告されており、その中でヒトを対象とした研究は32件とされている。また、10人以上を対象とした研究は19件で、うちオープンラベルによる研究[5]が9件、単盲検法による研究が1件、二重盲検法による研究は10件である(オープンラベルと二重盲検の両方を行った研究が1件ある)。健康なヒトを対象とした研究はわずか2件である。

  以上の包括的レビューをもとに、そこに記載されている元論文を科学的根拠となる研究とみなして評定を行う。なお、本評定では経口摂取によるヒトに対する健康効果といった応用的な側面(臨床研究)を重視し、げっ歯類を用いた研究や植物を用いた研究などは予備的研究とみなして評定の対象とはしない。


[1]国立健康栄養研究所「健康食品の安全性・有効性情報「水素水」」http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail3259.html
[2]原理的には「水素水概念」のなかに活性水素水や電解還元水の概念が含まれることになるが、実態ははっきりしない。また、電解水の生成器は家庭用管理医療機器に区分されている。
[3]たとえば、藤吉雅春「大流行「水素水」でセックスレス解消!」『週刊文春』2012,p146-149文藝春秋;「水素水「効果ゼロ」報道に異議あり!」『週刊文春』2016,p118-120文藝春秋;「水マニアが教えます!水の種類と効果・効能」http://umai-mizu.com/entry5.html
[4]山本輝太郎・石川幹人「水素水関連言説における科学コミュニケーションの実態~疑似科学とされるものの科学性評定サイトを媒介して」科学技術社会論学会年次学術大会2016
[5]オープンラベル研究とは、被験者および試験責任者が各被験者に投与されている製剤を知っている状態で実施される試験のことをいう。

目次:

1.水素水理論は場当たり的?
理論の観点:論理性(低) 体系性(低) 普遍性(低)

2.安定した効果は得られていない
データの観点:再現性(低) 客観性(中)

3.理論と実験による効果が不一致である
理論とデータの観点:妥当性(低)~(中) 予測性(低)

4.水素水を批判すると大変だ
社会的観点:公共性(低)~(中) 歴史性(低) 応用性(低)

総評:疑似科学

理論の観点:

論理性(低)

  水素水の健康効果を支える理論的根拠は「抗酸化作用」である。抗酸化作用とは、平易にはヒトの酸化ストレスを抑える作用をいい、このような機能を有する物質を一般に「抗酸化物質」という。抗酸化物質はヒト、食品あるいはそれら以外の様々な物質に酸素が関与する有害な作用を抑制する物質の総称である[6]。

  抗酸化物質が話題を集めているのは、近年、酸化ストレスをもたらす物質である「活性酸素・フリーラジカル」と老化や疾患が強く関係しているとの科学的知見によるものである。一説には、これらが関与しない病態は存在しないとまで言われており[7]、ゆえに酸化ストレスを抑える抗酸化物質が注目されている。

  活性酸素とそれに対する抗酸化作用自体は特異な現象ではなく、生体内で日常的に起きている。しかし、たとえば多量の喫煙や排気ガスの吸入、何らかの疾病に罹患して薬剤を服用するなど要因によって身体が正常でない状況になると、活性酸素種の生成とその消去のバランスが崩れる。すると、活性酸素が過剰に存在している状態、つまり酸化ストレス状態となり、これがさまざまな悪影響を及ぼす原因とされるである。

  問題は、こうした酸化ストレス状態を改善する機能が「水素水」にあるのか、ということであるが、先に挙げた2015年6月までのヒトを対象とした研究では結果にバラツキがみられる。酸化ストレスを評価する指標はいくつか開発されている(後述)が、ヒトを対象とした水素水の研究では、酸化ストレスが改善した研究と改善していない研究とが混在しており、一貫した結果が得られていない。

  たとえば、スポーツ選手を対象とした研究[8]では、水素水によって運動後の乳酸値抑制効果があったとしている一方で、酸化ストレスを評価する指標(d-ROMs、BAP)には有意な変化がなかった。また、リウマチ患者に対するオープンラベルの研究[9]では、酸化ストレスマーカー(8-OHdG)への抑制効果があったが、別のメタボリックシンドローム患者に対する研究[10]では同じ測定指標(8-OHdG)に対して有意な変化がみられていない。


[6]抗酸化物質は多岐にわたるが、その多くは植物性の食材から得ることができる。水溶性であれば、ビタミンCや多くのポリフェノール化合物がある。他に、水溶性のアスコルビン酸、脂溶性のトコフェロールやカロテン類等もある。ヒトの場合、抗酸化物質の多くは生体内で合成することができないため食事から補給する必要がある。
[7]関泰一「d-ROMSテストによる酸化ストレス総合評価」『生物試料分析』2009
[8]Aoki et al. Pilot study: Effects of drinking hydrogen-rich water on muscle fatigue caused by acute exercise in elite athletes, Medical Gas Research, 2012
[9]Ishibashi et al. Consumption of water containing a high concentration of molecular hydrogen reduces oxidative stress and disease activity in patients with rheumatoid arthritis: an open-label pilot study, Medical Gas Research, 2012
[10]Nakao et al. Effectiveness of Hydrogen Rich Water on Antioxidant Status of Subjects with Potential Metabolic Syndrome – An Open Label Pilot Study, J. Clin. Biochem. Nutr, 2010

体系性(低)

  抗酸化物質や抗酸化作用のヒトに対する影響は先進的な分野であり、現在盛んに研究が行われている。関連して、ヒト体内における酸化ストレスを測定するための直接的・間接的な指標もいくつか開発されている。
  たとえば、水素水研究でも用いられているd-ROMsテストは血中ヒドロペルオキシド濃度を間接的に測定する評価指標であるが、d-ROMsテスト値が基準値よりも高かった群は、正常値の群と比較して心血管系有病率と死亡率が有意に高いとの報告がある[11]。ヒト体内の酸化ストレスと疾病の関係についての知見は徐々に集積されているといえる。

  一方、水素水の健康効果に関する研究も、こうした抗酸化作用を理論的支柱としつつ評価の指標としているため、その意味では突飛な理論ではないといえる。ただし、ヒトを対象にした研究の場合、水素水における抗酸化作用については一致した見解に至っていないため、評価を割り引く必要がある。特に、水素分子がどのように体内で抗酸化作用を引き起こしているかについての作用機序が明確でないことは問題である。


[11]Vassalle et al. Elevated hydroperoxide levels as a prognostic predictor of mortality in a cohort of patients with cardiovascular disease, Int. J. Cardiol., 2005

普遍性(低)

  水素水研究では、対象疾患に関する一部の数値改善が効果として報告されている。ただし全般的に、測定したいくつかの指標のうちの一部のみに対する数値改善であったり、一貫した結果が得られていないといった問題がみられ、限定的な疾患のごく一部の数値改善効果が示されるに留まっている。
  また、一般に流布している「がんへの予防効果」「ED(勃起不全)に対する効果」「アンチエイジング効果」「ダイエット効果」を示すヒトを対象とした研究は報告されていない(2015年6月時点)。

  これまで報告されている研究の多くは「病気のヒト」を対象とした医学研究であるが、健康なヒトを対象にした研究に「スポーツ選手(サッカー選手10人)の筋肉疲労改善効果」がある[12]。この研究では、運動前の水素水の飲用によって疲労原因物質とされている乳酸値(lactate)抑制効果が得られているが、一方で水素水言説の理論である酸化ストレス指標(d-ROMs、BAP)には有意な変化はなかったとされている。
  また、ポジティブな効果として述べられている乳酸値抑制についても、近年のスポーツ科学分野において「乳酸で疲労する」という知見自体に懐疑的な見解があることもあり[13]、一義的に「効果があった」と言い切れない実態がある。

  抗酸化作用について同一の測定指標を用いても結果が出るものと出ないものがあり、ヒトに対する効果を支える理論の不確かさがうかがえる。このまま理論が複雑化していくと「リウマチの場合には酸化ストレスマーカーが下がるがメタボの場合には下がらない……」といった繰り返しとなり、後づけの理論補強がいくらでも可能になってしまうため科学的とはいえない。
  以上より、普遍性は低評価とする。


[12]前掲書Aoki et al. Pilot study: Effects of drinking hydrogen-rich water on muscle fatigue caused by acute exercise in elite athletes, Medical Gas Research, 2012
[13]谷健太、片平誠人「クールダウンの生理学的効果に関する文献的考察」『福岡教育大学紀要』2012

データの観点:

  

再現性(低)

  再現性評価の前提として、語句説明にて挙げた水素水の包括的研究1)をもとに、10人以上のヒトを対象とした水素水研究(19報)のおおまかな概要を以下に示す(2015年6月時点)。

ヒト対象の水素水研究(10人以上の被験者)

対象(※水素水以外での利用) 主な測定項目 実施年度 被験者数 実験形式
メタボリックシンドローム患者 酸化ストレス評価値やコレステロール値など 2010年 20人 オープンラベル
慢性腎不全患者(※水素利用の人工透析) 酸化ストレス評価値 2010年 29人 オープンラベル
肝腫瘍患者 QOLスコア[14] 2011年 49人 オープンラベル
ミオパチー患者[15] 生理指標(乳酸値など) 2011年 31人 オープン/二重盲検
リウマチ症患者 活動性評価(DAS28) 2012年 20人 オープンラベル
脂質異常症患者 コレステロール値など 2013年 20人 オープンラベル
圧迫性皮膚潰瘍患者 創傷サイズや回復期間 2013年 22人 オープンラベル
紫外線皮膚損傷患者(※水素ガスによる効果) いくつかの生理指標 2013年 28人 オープンラベル
脳虚血患者(※静脈内注入) 酸化ストレス評価値 2013年 38人 オープンラベル
軟部組織損傷患者(※水素が豊富な錠剤) 回復期間や血液粘稠度 2014年 36人 単盲検法
二型糖尿病患者 コレステロール値など 2008年 30人 二重盲検法
健康な男性スポーツ選手 筋肉疲労や酸化ストレス評価値 2012年 10人 二重盲検法
パーキンソン病患者 病態評価(UPDRS) 2013年 17人 二重盲検法
間質性膀胱炎患者 ※有意な治療効果なし 2013年 30人 二重盲検法
リウマチ症患者(※静脈内注入) 活動性評価(DAS28)や酸化ストレス評価値 2014年 24人 二重盲検法
健康なボランティア 血管内皮機能 2014年 34人 二重盲検法
代謝性アシドーシス患者 血中アルカリ度 2014年 52人 二重盲検法
慢性B型肝炎患者 酸化ストレス評価値 2014年 60人 二重盲検法
脂質異常症患者 コレステロール値など 2015年 68人 二重盲検法

  まず、これまで報告されているヒトを対象とした水素水研究の多くは、特定疾患に対する限定的な数値改善であることが指摘できる。上記の研究の中で「健康なヒト」を対象とした研究は2報である。
  たとえば、上記の二型糖尿病患者に対する研究では、sdLDLコレステロール値[16]に有意な減少効果がみられているが、LDL/HDLコレステロール値全体には変化がなかったとしている[17]。
  また、肝腫瘍患者に対する研究[18]ではQOLスコアの改善がみられたとしているが、統計処理をしているとはいえ、オープンラベルでの研究ということから推定すると事実上かなり主観に頼った指標であると思われ、「何に対して効果があったのか」が明確でないことが指摘できる。

  個々の研究同士で一貫した結果が得られていないことも問題である[19]。論理性の項目で述べたように、研究によって同一の指標に対する効果があったり/なかったりするため、再現性を高く評価することはできない。そもそも研究数自体が少なく追試もほとんどないため、全般的に再現性がきちんと担保されているともいえない。

  さらに、上記のメタボリックシンドローム患者を対象としたオープンラベルの研究では、一日当たり1.5リットル~2リットルの水素水を飲用させた8週間の実験期間の間に、何種類かの軽度の有害事象が65%の被験者にみられている。腹痛、頭痛、胸やけ、下痢など軽度の症状であるが、当該研究ではこれらの症状と試験物質を関連付けることが“可能である”としている。

  以上から、ヒトを対象とした水素水研究の効果の再現性は低評価とする。また、これまで報告されている研究はほとんどすべて医学研究として厳密にコントロールされたものであり、市販の缶入り水素水などに対する効果を担保するものではないこともあえて付しておく。


[14]この研究では、EORTC(European Organization for Re−search and Treatment of Cancer)QLQ-C30が評価スコアとして用いられている。「長い距離を歩くことに支障がありますか?」「痛みがありましたか?」など、日常生活における健康状態に関する質問に対して自己申告にて記入する。
[15]ミオパチーとは、筋肉の病気のうち、筋自身に原因がある疾患の総称である。この研究では、「炎症性ミオパチー」および「ミトコンドリアミオパチー」患者が対象となっている。
[16]sdLDLコレステロールとは、small,dense,LDLコレステロールの略である。sdLDLは冠動脈疾患と強く関連しており、「超悪玉コレステロール」というニックネームで呼ばれることもある。
[17]Kajiyama et al. Supplementation of hydrogen-rich water improves lipid and glucose metabolism in patients with type 2 diabetes or impaired glucose tolerance, Nutrition Research, 2008
[18]Kang et al. Effects of drinking hydrogen-rich water on the quality of life of patients treated with radiotherapy for liver tumors, Medical Gas Research, 2011
[19]データが一貫しない背景として、多重比較への補正が十分でない可能性が考えられる。実際、上記研究においても補正に関する記述がなかったものがいくつかみられる。

客観性(中)

  ヒトを対象とした研究のうち、(サンプル数が多くなく、対象疾患もバラバラであるとはいえ)RCTかつ二重盲検法で行われた10件の研究の客観性は高い(2015年6月時点)。それ以外のオープンラベルでの研究も、基本的に医学研究としての実験プロトコルに則っており評価できる。

  しかし、ヒトを対象とした研究数やサンプル数、追試が少ないことが問題視されており[20]、たとえば「ごく一般的な健康な人が、市販の水素水を恒常的に飲用した場合」のデータなどはほとんど不明である。少なくとも、上に挙げた19件の研究以外のヒトに対するデータの客観性は担保されていないといってよい。


[20]松永和紀「水素水、「ニセ科学」と切り捨ててはいけないが、エビデンスありとは言い難い」FOOCOM.NET2016(http://www.foocom.net/column/editor/14366/);山形大学理学部物質生命化学科 天羽研究室「水素水の宣伝をニセ科学と呼ぶしかない理由(2016/02/20)」(http://www.cml-office.org/wwatch/alkalli/comment-ph-08)

理論とデータの観点:

妥当性(低)~(中)

  RCTや二重盲検法にてデータ収集が行われている研究の妥当性は基本的には高い。しかし、水素水研究では何が測定されているかという意味をつかむことが難しい。特に、追試が少ないため本当に妥当なデータであるかどうか断定できないことは問題である。
  水素水によって「特定疾患に対する何らかの数値改善がみられた」という共通項はみられるものの、効能に対応したデータ収集がなされておらず、作用機序が不明であるため妥当性に疑問が残る。

予測性(低)

  水素水による健康効果の理論的支柱は抗酸化作用である。しかし、酸化ストレスが軽減した研究と効果がなかった研究が混在しており、理論とデータが不一致であることがうかがえる。
  抗酸化作用を理論的背景とするのであれば「どのような対象が、どのくらいの水素水を飲用した場合、どの程度の抗酸化作用があるか」が問題となるが、現状、こうした予測性は低いといえる。

社会的観点:

公共性(低)~(中)

  ヒトを対象とした研究の個々の論文は専門誌の査読を経ているため公共的である(公共性が高い)といえる。しかし、問題を「水素水業界」でとらえた場合、公共性に疑問が残る。
  たとえば、水素水の健康効果について否定的な見解をとる研究者個人に対して、水素水関連団体からの抗議文や内容証明郵便が送られてくるといった問題がみられている[21]。原則的には、独立した精神と自由な発想が研究者個人には保障されるべきであり、こうした抗議文は科学の基本精神を委縮させ公共性を損ねているといえる。


[21]samakikakuの今日もワハハ「分子状水素臨床工学研究会から抗議文書が来た!」(http://d.hatena.ne.jp/samakita/20160609/p1);togetter「いま注目の水素水商法!(消費者行政・適格消費者団体的に)」(https://togetter.com/li/982039)

歴史性(低)

  水素水研究が活発になったのはごく最近のことである。2007年、有名な科学誌「ネイチャー」に発表された論文がそのきっかけとみられている[22]。また、ヒトに対する健康効果が一般に広まり始めたのは2012年頃からであり、ワイドショーや週刊誌にて紹介されたことが始まりである。   

  水素水の健康効果について懐疑的にみる向きが表面化したのは2016年5月頃だと思われる。具体的には、産経ニュース(5月14日)にて水素水効果に批判的な記事[23]が書かれたことがきっかけであると推定される。このニュースはすぐにネット上で話題となり、先の産経ニュースに類似した内容の記事もいくつか発表された。

  また、国立健康栄養研究所が発表した「有効性に信頼できる十分なデータが見当たらない」との情報は大きな契機となった(6月20日)。この情報はすぐに報じられ、これによって健康効果の論争に一つの区切りがついたとの見方も出てきた[24]。

  科学的な議論における水素水の健康効果については現在も議論が進行しているが、その歴史は浅い。また、健康効果については(現在は)懐疑的な見方が大勢を占めていると分析できる。


[22]前掲書G. L. Nicolson et al. “Clinical Effects of Hydrogen Administration: From Animal and Human Diseases to Exercise Medicine”, International Journal of Clinical Medicine, 2016
[23]平沢裕子「美容、ダイエットと何かと話題の「水素水」実はかつてブームを巻き起こした「あの水」と同じだった…」産経ニュース2016(http://www.sankei.com/life/news/160514/lif1605140008-n1.html)
[24]産経ニュース「有効性に信頼できる十分なデータが見当たらない 国立健康・栄養研究所が見解」2016(http://www.sankei.com/life/news/160617/lif1606170023-n1.html);J-CASTニュース「水素水に「有効データ見当たらない」 国立研究所「発表」が論争にピリオド?」2016(https://www.j-cast.com/2016/06/22270406.html?p=all)

応用性(低)

  これまで医学研究として報告されている水素水の健康効果は、特定の疾患に対する限定的な改善効果である。「ごく一般的な健康なヒト」が飲用した場合にどのような効果があるかはほとんど明らかになっていない。

  また、仮に水素に健康効果があったとしても、「水素水」の形式で飲用することのメリットは薄いように思われる。たとえば、「水素生産菌」を利用した製品[25]のように、体内の菌類を活用するほうが理屈として理にかなっており、水に溶けにくい水素をわざわざ「水素水」として取り入れる積極的な理由を見出せない。

  関連して、市販されている水素水商品のいくつかでは、「水素水」と表示されているにもかかわらず水素が検出されないといった問題が指摘されている[26]。水素分子は小さくて軽く、ペットボトルのような保存法では濃度が一定に保てないという原理的な欠陥も指摘でき、応用性を高く評価できる材料はない。


[25]協同乳業「ミルクde水素」(https://www.meito.co.jp/milkdesuiso/)
[26]J-CASTニュース「水素水「やっぱりただの水」国民生活センター調査の唖然」2016(https://www.j-cast.com/2016/12/16286330.html?p=all)

総評:

疑似科学

素水の効果を医学的に研究する試みは現在も行われており、個々の研究自体は疑似科学とはいえない。ただし、ヒトに対しての具体的な効果・効能は確立されておらず、データ不足であることが懸念される。特に、水素水の理論的支柱である抗酸化作用については懐疑的にならざるを得ず、この段階で「○○という効果がある」と主張することは難しいだろう。

  現在、医学研究の検索エンジン(PubMed)等において、ヒトを対象とした経口摂取における水素水効果の論文を検索すると、ヒットするのはほんの20件~30件程度である[27]。

  一概に論文量の問題ではないが、①特定の疾患の患者を対象とした研究ばかりであること、②得られているデータが限定的な効果に留まっていること、③追試がほとんどみられないこと、④一貫した結果が得られていないことなどは明確な問題であるといえる。
  医学的な“研究対象”としての水素水研究は否定しないが、過度な健康効果を標榜するような商品・言説が問題化している社会状況[28]を鑑みて、本項では疑似科学と評定する。


[27]2017年10月10日時点。
[28]深笛義也「水素水に国が「効果なし」警告、業界が一斉反発で異例バトル「テストに疑義」「言語道断」」Business Journal, 2017(http://biz-journal.jp/2017/03/post_18343_3.html)

参考文献:

水素水研究に関する包括的レビュー:
・Nicolson et al. “Clinical Effects of Hydrogen Administration: From Animal and Human Diseases to Exercise Medicine”, International Journal of Clinical Medicine, 2016
・Ichihara et al. “Beneficial biological effects and the underlying mechanisms of molecular hydrogen–comprehensive review of 321 original article”, Medical Gas Research, 2015

10人以上のヒトを対象とした水素水研究(一例):
・Aoki et al. Pilot study: Effects of drinking hydrogen-rich water on muscle fatigue caused by acute exercise in elite athletes, Medical Gas Research, 2012
・Azuma et al. Drinking Hydrogen-Rich Water Has Additive Effects on Non-Surgical Periodontal Treatment of Improving Periodontitis: A Pilot Study, Antioxidants, 2015
・Ishibashi et al. Consumption of water containing a high concentration of molecular hydrogen reduces oxidative stress and disease activity in patients with rheumatoid arthritis: an open-label pilot study, Medical Gas Research, 2012
・Ishibashi et al. Therapeutic efficacy of infused molecular hydrogen in saline on rheumatoid arthritis: A randomized, double-blind, placebo-controlled pilot study, International Immunopharmacology, 2014
・Ito et al. Open-label trial and randomized, double-blind, placebo-controlled, crossover tiral of hydrogen-enriched water for mitochondrial and inflammatory myopathies, Medical Gas Research, 2011
・Kajiyama et al. Supplementation of hydrogen-rich water improves lipid and glucose metabolism in patients with type 2 diabetes or impaired glucose tolerance, Nutrition Research, 2008
・Kang et al. Effects of drinking hydrogen-rich water on the quality of life of patients treated with radiotherapy for liver tumors, Medical Gas Research, 2011
・Nakao et al. Effectiveness of Hydrogen Rich Water on Antioxidant Status of Subjects with Potential Metabolic Syndrome – An Open Label Pilot Study, J. Clin. Biochem. Nutr, 2010
・Sakai et al. Consumption of water containing over 3.5 mg of dissolved hydrogen could improve vascular endothelial function, Vascular Health and Risk Management, 2014
・Song et al. Hydrogen Actives ATP-Binding Cassette Transporter A1-Dependent Efflux Ex Vivo and Improves High-Density Lipoprotein Function in Patients With Hypercholesterolemia: A Double-Blinded, Randomized, and Placebo-Controlled Trial, J Clin Endocrinol Metab, 2015
・Xia et al. Effect of Hydrogen-Rich Water on Oxidative Stress, Liver Function, and Viral Load in Patients with Chronic Hepatitis B, Clinical and Translational Science, 2013
・Yoritaka et al. Pilot Study of H2 therapy in Parkinson’s Disease: A Randomized Double-Blind Placebo-Controlled Trial, Movement Disorders, 2013

関連書籍:
・左巻健男『水の常識ウソホント77』平凡社新書2015

情報提供、コメント、質問を歓迎します。

(最終更新日時2018年3月20日)

投稿

投稿&回答

疑似科学と云う評定に、筋が悪いと投稿した70歳の、科学もパソコンの扱い方も、英語も並み以下の爺さんですが、私なりの考えがどの様に添削されるか知りたく思います。
まずヒトが水素水を経口摂取した場合のエビデンスを評定の基本にしておられますが、ヒトの状態が問題です。
水素がヒトの腸内で産生され、体内、腸管内に存在しています。ヒトによって水素が充分満たされているヒト、欠乏しているヒト、が区分されていません。ここを検討するするべきだと思います。もし水素が何らかの働きがある場合、水素が体内に欠乏していなかったら、水素水を補給しても何らかの効果が現れてくる事は考えにくいと思います。(他の物質の代替になりえれば違ってきますが)
例えば、水分を充分摂取しているヒトに水を飲んでもらっても健康効果はないでしょう。水分不足のヒトに摂取してもらえば、同じ水でも健康効果は出るでしょう。ビタミン剤、鉄、カルシュウム等も同じです。体内に水素が存在している事実も検討した上での評定なのでしょうか。先生方が選ばれたエビデンスでは、健康効果は解らない、と私は思うのですが。勿論、再現性も現れにくいし、バラツキもあって当然だと思います。ですので水素水を経口摂取しての、健康効果は解らない、と云うのが現在の私の結論です。
評定の基本にしておられるエビデンスは、体内に水素が存在していない場合に評定の基本にされるべき、エビデンスです。また、水素水を経口摂取してのエビデンスより、腸管内で産生された水素が、体内、腸管内で何らかの働きをしているのか、空気中の窒素のように何の働きもないのかあらゆる角度から研究されることを期待しています。
尚 私の答えが、解らないと云う結論ですので、解らない事を疑似科学と評定するのは,解らない事を効果がある、とするのと同じです。
解ってない事を効果があると宣伝し、商行為に関わっている人、企業は当然、法律違反で処罰されるべきです。が、疑似科学と評定された方は、法律違反にはならないでしょう。表現の自由があります。
そして、ここにも私の、疑似科学と云う評定をされた大いなる疑問があります。当時水素水が、効果があるという宣伝と共に社会状況が過熱していました。それを抑える為に伝家の宝刀、疑似科学、と云う言葉を恣意的に選ばれたと思っています。私でしたら、まだ効果は解らない。解らない事を効果があると云うのは科学者として許せません。法律違反です。とわめき散らします。
現在は、疑似科学と云う言葉で、過熱感が抑えられ、さぞ気分良く、正義感にしたっておられる事でしょう。ですが私にすれば、科学者が、わからない様に政治屋に魂を売った様に思えます。政治屋が人々を扇動するサマです。何も人々を考えさせないで、シテヤッタリです。
科学者が社会的責任を持ち影響力を持つのは大いに賛成で期待しますが、この件は疑問符が大いに付きます。他の言葉で過熱感を抑えるべきだったと思います。もっと人々を考えさせる言葉で。勇み足だったと感じます。
それで、もう一つお伺いします。疑似科学と云う評定は2018年4月となっています。これは将来、変更と云う可能性を含んでいると云う事でしょうか。何%位で、期間は、とかは頭の中では感じておられるのでしょうか。疑似科学と云う評定は、裁判において死刑判決のように感じてしまいます。
冤罪も勿論ありますが、冤罪と同じ位の確率でしか評定の変更は無いと考えておられるのでしょうか。そう願っていますが。科学とは、そう云うものではないのでしょうか。コロコロ評定が変わるのでしたら、ここでこんなに時間を費やす必要は無いように思います。教えて頂きたいです。 (投稿者:mizudaisuki,投稿日時:2018/05/05 19:58:28)

ご投稿ありがとうございます。
たいへん丁寧にご意見をご投稿してくださり、感謝いたします。
ご質問・ご指摘の件について、私なりに内容をまとめたうえで、以下で順番に回答したいと思います。何か抜けている箇所があれば再度ご指摘ください。

1)ヒトによる水素の体内量について(水素が十分な人と欠乏している人の区別)
 まず、「体内における水素量」という前提が何を指しているのかはっきりしません。健康な人の体内には○○量(濃度?)の水素が確認される、などの前提がわからないと、この主張を裏付けることは難しいと思います。そもそも、「水素量」という概念をどのように規定するかすら難しいと思われます。簡単にヒトで測定可能であれば、「欠乏している」との定義も行えますし、比較することもできるため、科学の対象として研究が進みますが。
むしろ、「水素が十分な人」と「欠乏している人」という検討は、水素水を肯定的に扱う研究者のほうに必要な概念に思います。


2)水素における体内作用について
 本項の「応用性」にあるように、仮に「水素」に健康効果があるとすれば、水素水のような形式で摂取するのではなく、体内(腸内)にある菌類を活用する方が理にかなっています。水素が水に溶けにくいことはよく知られていますので、仮に効果があるのであれば、水の形式で摂取するよりもはるかに効果的であるかもしれません。
そういう意味で、共同乳業の製品のほうが水素水よりは理論的にはよく理解できます。ただし、効果があるかこととは別問題であると認識したほうがよいですね。


3)「健康な人に水を~」「経口摂取における健康効果はわからないというのが結論です」について
少なくとも、評定内で挙げている研究については、ごく限定的な数値改善はみられていますが、研究間(別著者)で整合性がとれていないというのが実態のようです。つまり、同一の数値改善があった研究と、なかった研究、といった具合です。ご指摘の通り、可能であれば、「水素量(?)が不足している人」と「そうでない人」に分けて研究するのがよいのでしょうが、現状の水素水研究ではそういった研究はみられないようです。
 また、ご存知かもしれませんが、水素水が主に標榜している「抗酸化作用」について測定する指標自体、複数の指標(間接測定)があり、ヒトを対象とした水素水研究では、同一の指標の数値ですら、改善したものとそうでないものが混在している状況です。しかもこれは、ごく限定的な数値であるため、社会生活上、判別できるような効果はみられないとするのが(現状は)妥当に思われます。

4)「ですので水素水を経口摂取しての、健康効果は解らない」
 裁判を思い浮かべられるとよいのですが、科学の世界では基本的に、説明責任(立証責任)は「それを主張する側」にあります。そのため、何かしらの「効果がある」と立証できた場合においてのみ、それを肯定的に扱うのが筋であります。しかし、「どちらかわからないグレーな場合」も実際には多くあり、そのため本サイトでは、「疑似科学」「未科学」「発展途上の科学」「科学」などと段階的な基準を設けているわけです。
 かなり批判的に言うと、水素水の場合、少なくとも評定内で挙げている研究からは、「グレーの段階ですらない」と判断せざるを得ないため、「疑似科学」の評定になっているとご理解ください。
 医学的にはたとえば、「メタ分析」などで何らかの効果が実証されていれば、それについては肯定的に扱うこともできます。ただ、現状の水素水学説は、標榜している理論が大きすぎるため(アンチエイジング、ED治療、がん予防など)、これらを改善する研究方向性とならない限り、科学としての先行きは難しいのではないかと考えます。


5)「水素水を経口摂取してのエビデンスより、腸管内で産生された水素が何らかの働きをしているのか、何の働きもないのかあらゆる角度から研究されることを期待しています」
同感です。その意味で、応用性で記載していますが、共同乳業の製品は「目からウロコ」であるとはいえます。

6)「尚 私の答えが、解らないと云う結論ですので、解らない事を疑似科学と評定するのは,解らない事を効果がある、とするのと同じです。」
 これは違います。上の4)で述べた通り、立証責任は肯定側にあります。いわゆる「悪魔の証明」と同じで、「効果がないことを証明する」のは事実上困難なため、科学の界隈では「効果があると見なしうる、可能な限り合理的、客観的な根拠をそろえる」ことで科学者間の合意形成を目指し、それが科学となっていきます。その中で少なくとも、“本評定サイトの基準では”、水素水による社会生活上応用可能なレベルの効果はないと判断しています。


7)「疑似科学と評定された方は、法律違反にはならないでしょう。表現の自由があります。そして、ここにも私の、疑似科学と云う評定をされた大いなる疑問があります」
 mizudaisuki様の以前のコメントにも、「法律違反」という語句がよく使われていたと記憶しております。おそらく、「疑似科学」という語がある種のレッテル貼りである、との暗黙の前提によるご指摘だと推測いたします。
 私の感じる限りでも、確かに、「レッテル貼り」という側面があるのは否めませんね。現在では「疑似科学」という語句に手垢がついているとも思います。その意味で、たとえば、大阪大学の菊池誠先生などは「ニセ科学」と「疑似科学」を使い分けておられるようです(直接うかがったわけではないので確かなことは言えませんが)。
 おっしゃる通り、「法律違反」としたほうが、有効な場面もあるかもしれませんが、一方で、法律も完全ではないので、批判作用としてどの程度効力があるかは私には判断できません。ただ逆に、科学でないからといって、価値がないわけではありません。いうまでもなく、世の中には科学でなくても社会的に有益なものや皆が求める素晴らしいものは沢山あるからです(文学、芸術など)。ただ、科学という枠組みを標榜するならば、ルール違反にも一定の歯止めをかける必要はあるといえます。
 「評定の基本的な考え」に記載してある通り、本サイトで「疑似科学」と評定している場合、「科学的な言説をもっているにもかかわらず、諸条件の評価が全体にわたってきわめて低い。実際のところ科学とは言えないうえに、社会的な問題をもはらむので、「科学でない」と明言するほうがよい。」を意味します。ですので、そうした意味を踏まえてお考えになっていただければと思います。


8)「疑似科学と云う言葉で、過熱感が抑えられ、さぞ気分良く、正義感にしたっておられる事でしょう。[…]何も人々を考えさせないで、シテヤッタリです。」
 これはまったくの誤解です。まず、そうした特権階級的意識が前提にあるならば、本サイトにコメント欄など設けません。
 各ページをご覧になっていただければわかると思いますが、本サイト情報は幾度にもわたり改訂を繰り返しております。内容の不精確性についてお叱りを受けることも多いですが、本サイトの研究的な意義は、こうした科学的議論の土壌提供やその発展可能性についての考察にもあると考えております。
 また、いただいたコメントは、基本的にすべて掲載することになっています。中には、ほとんど「荒らし」コメントといってよいものの多くありますが、特別な申し出がない限りすべて載せております。というか、これが本研究サイトの意義でもあるため、ご指摘については反論させていただきます。


9)これは将来、変更と云う可能性を含んでいると云う事でしょうか。
 もちろんです。新規に効果的な研究があれば改訂されます(逆に、それまで本研究サイトが続いている保証はありませんが)。また、本サイトに記載してあることが「現状のすべて」であるとも考えておりませんし、現に、さまざまな鋭いご指摘をいただいており、その都度改訂しております。
 また、こうした実践が「無駄だ」とも我々運営側は考えておりません。たとえば、遺伝子組換え作物の是非や福島における小児甲状腺がんについての議論など、科学に関する社会的な諸問題については、きちんと議論していかなければならないこと、あるいはそれが満足にできていないことが多くあります。本サイトはそうしたリテラシーを「鍛える」「身につける」ことも研究目的としておりまして、そうした意味で、日常に隣接している「疑似科学とされるもの」を取り上げることにも一定の意義があると考えております。


10)疑似科学と云う評定は、裁判において死刑判決のように感じてしまいます。冤罪も勿論ありますが、冤罪と同じ位の確率でしか評定の変更は無いと考えておられるのでしょうか。
 回答の大枠は上で答えたとおりですが、水素水については今後の研究成果によるとしか言えません。個人的には、「メタ分析研究」があれば(それが否定的な研究結果だとしても)“まだマシ”くらいに考えております。ただ繰り返しますが、現状の研究結果を以って、水素水に目に見える何らかの効果があるとは考えにくいです。
(回答日時:2018/05/14 22:32:41)

>一応、この水素水評定については、左巻先生に直接ご意見をうかがったわけではないので確かなことはいえませんが、細かい記述についてのご異論・ご指摘はあるかもしれませんが、大筋の見解が異なるとは考えにくいです。
――やはり、予想していたとおりですね。このサイトの定義では、左巻先生の立場は明らかに「未科学」です。これはESPと同じで「いまだデータが十分でなく、一部に信頼できる肯定的データが検出できているとしても、その結果を詳細な理論構築につなげるのが難しい段階にある。」ということです)。
この点については再三説明したとおりですが、管理者さんには理解できないのか、あるいは理解したくないのでポジショントークをしているのか、私にわかりません。
では、左巻先生が「未科学」とおっしゃっている根拠はどこか。以前の私の投稿を再掲しておきます。
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この掲示板に参考文献として紹介されている左巻先生の「水の常識ウソホント77」を読んでみました。
水素水に関する記述は、82-84ページにあります。
しかし、素直に読むと、水素水に効果はない(疑似科学)という内容ではないのです。従って、この掲示板で水素水が非科学的というなら、左巻先生の主張でさえありません。
次は、この本の84ページからの記述です。
【引用開始】
しかし、あまり知られていないかもしれませんが、実は、私たちの体内では日々水素が多量につくられています。大腸には水素産生菌がいて、水素を産生しているのです。
(中略)
これらは、水素水から摂取する水素量と比べてはるかに大量です。
【引用終了】
もちろん、左巻先生は、水素水の効果を信じているわけではなく、非常に懐疑的です。ただ、全否定していないことは、この引用部分からも明らかです。というのは、そもそも「水素」に全く効果がないことが証明されているなら、この記述は不要だからです。「大腸で生産される水素は水素水から摂取する水素量と比べてはるかに大量」というのは、そもそも水素や水素水に効果が全くないなら何の意味もありません。というのは、初めから効果がないなら、水素が大量にあろうが、逆に全くなかろうが、そもそも効果がないのだから、量には何の意味もないからです。
しかし、こう書いてあるということは、将来的に水素(水素水)の効果が証明される可能性が全くゼロではないことを示しているということになります。
興味深いことに、次の85ページには、『薬事許可もされていた「アルカリイオン整水器」とは?』という記事があります。内容はタイトルの通りで、現在は「アルカリイオン整水器」の薬事許可は取り消されています。言い換えれば、科学の常識は時代によって変わることもあるわけです。
繰り返しになりますが、左巻先生のこの本を素直に解釈するなら、水素水は「非科学的」ではなく「未科学」あるいは「不明」ということになり、決して「疑似科学」ではありません。
失礼しました。
(投稿者:ABO FAN,投稿日時:2018/03/21 22:11:15)
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(ひょっとして、管理者さんは左巻先生のこの本を読んでいらっしゃらないのでしょうか?)
>評定では、まとめ論文に記載されている個々の研究のデータについて吟味し、記述しているわけです。
――こういっては大変失礼ですが、管理者さんが、これらの論文の執筆者以上の科学的な知識があるとは思えません。おそらく、高校・大学では物理・化学・統計などの理系の基礎的な単位は取っていないのでしょう(あえて回答は求めませんが)。そういう人の記述と、これらの論文執筆者の記述と、どちらを信用するかというのは、ここであえて書く必要はないでしょう。
>「このサイトの内容はとんでもないものだ」という風に他の閲覧者さんに「見せる」ための、ABOFANさんのいつもの戦略だということはわかっているつもりです苦笑。
――これは半分正しく、半分は正しくありません(苦笑)。管理者さんが“回答拒否”ばかりなので、やむなく途中で方針を変更したのです。
>その意味では、マイナスイオンの方が、(効果の多くは否定されているとはいえ)メタ分析が行われている分、まだマシとはいえますが苦笑。
――「効果の多くは否定されている」には同意しかねます。例えば、CiNiiなどで数多くの「肯定的」な論文を読まれてみてはいかがでしょうか? また、なぜか“荒らし”扱いになっていますが、英語の文献も紹介しています。
大変失礼しました。

にゃん王さんへ
>疑似科学の信奉者とまともに論争するのはこのサイト運営集団にとって何一つメリットはないと思います。
――念のため、私は「疑似科学」は信用していません。ただ、「未科学」や「不明」なものを「疑似科学」や「非科学的」と断定するのに反対しているだけです。
管理者さんへ
>それでも科学に関するコミュニケーション/議論は誰かがやっていかなければならない問題だとも考えております。
――全く同感で、こういう場を提供していただいていることには深く感謝しています。ただ、こう言っては大変失礼なのですが、もう少し科学的な基礎知識を増やしていただけないでしょうか…。議論以前に知識の段階でストップしているケースが余りにも多いので…。
大変失礼しました。 (投稿者:ABO FAN,投稿日時:2018/04/30 09:36:51)

ABOFANさん
>水素水に関する記述は、82-84ページにあります。
しかし、素直に読むと、水素水に効果はない(疑似科学)という内容ではないのです。従って、この掲示板で水素水が非科学的というなら、左巻先生の主張でさえありません。
――この内容とほぼ同じ意味を「応用性」の項目に記述しています。ちなみに、「公共性」の項目では、左巻先生のブログ記事を引用し、水素水言説の問題点を記述しております。
まぁいつものことですが、正直こうしたお返事を返すのも不毛な気がしております。
あえて厳しいことを言いますが、ABOFANさんが、ただ本サイトを貶めたいがために、評定内容を読まずにいちゃもんをつけていることはもうバレバレですので、いい加減おやめください。
ご自身のブログ等で、私自身への誹謗中傷をされるならまだしも、コメントでさんざん書かれている「管理者(私)は高校(中学?)の数学・理科もまともに理解していない」などはネット上での侮辱罪にあたるのではないでしょうか?(以前、名誉棄損については、いろいろ言い訳を述べられていましたが)

>こういっては大変失礼ですが、管理者さんが、これらの論文の執筆者以上の科学的な知識があるとは思えません。[…] どちらを信用するかというのは、ここであえて書く必要はないでしょう。
――ABOFANさんがどう思おうと、それは自由です。しかし残念ながら、ABOFANさんのブログ等とは違い、本サイトの評定記述は私の一存で勝手に書いているのではありません。これだけは誤解のなきよう……。

>例えば、CiNiiなどで数多くの「肯定的」な論文を読まれてみてはいかがでしょうか?
――「メタ分析」と言っています。メタ分析の意味については、以前はご理解されていなかったようですが、現在はおわかりになっていると思います。きちんとしたメタ分析研究がないことを問題視しておりますので、見つけられましたら、どうかお教えください。
というか、いつもは血液型性格のページで「論旨は関係ない!統計データ云々……」とおっしゃっておられるのに、都合のよいときだけ「肯定的」などの曖昧な概念を用いられるのですね苦笑。ABOFANさんは、統計データに関してはかなり詳しい知識や判断をお持ちだと思っていたので、正直かなりガッカリしました。
血液型性格のページで「さすらいの馬券師さん」や「AABAさん」「ABOFANの心の声さん」などに対してまともに回答できず、埒が明かないので「荒らし行為」をしているようにしか見えませんし、「マイナスイオン」ページでの言動からそのように断定しておりますので、今後私もまともに相手をするのはやめにしょうと思っています。失礼ですが。

(回答日時:2018/05/14 22:35:24)

疑似科学の信奉者とまともに論争するのはこのサイト運営集団にとって何一つメリットはないと思います。
まともにロジックを理解できないので話になりません。不毛です。
放置して晒しておけばいいのではないでしょうか?
理解するつもりもない相手とはそもそも議論が成り立ちません。 (投稿者:にゃん王,投稿日時:2018/04/26 21:48:07)

ご投稿ありがとうございます。
まさにご指摘の通りなのですが、まぁしかし、それでも科学に関するコミュニケーション/議論は誰かがやっていかなければならない問題だとも考えております。たとえば、かつての遺伝子組換え作物に対する反発(論争)のように、(かなり明確に)科学的に誤っていると思われる見解が社会に広まることはままあり、深刻な問題となることもありますので。
(回答日時:2018/04/29 19:26:03)

>>これには驚きました。左巻先生は「共同研究者」とこのサイトには書いてありますが?
>>ということは、このサイトでは共同研究者の主張を全く無視するということですか?
>――誰もそんなことは言っていませんよね?苦笑「直接引用していない」という意味です。「引用」の意味はご理解できますでしょうか?
――私が問題にしているのは、引用しているかどうかではなく、このサイトに紹介されている左巻先生の文献では「未科学」となっているものが、このサイトでは「非科学」となっている理由です。ひょっとして、左巻先生がつい最近主張を変えられた可能性もありますが、普通は何の根拠もなくそんなことはしないでしょう。
>>参考文献には「肯定的」なものしかないようですし
>――まず、「肯定的なもの」という尺度は何によって判断しているのですか?ABOFANさんの印象でしょうか?あと、「肯定的なもの」とは理論のことですか?データのことですか?
――大変失礼な言い方になりますが、管理者さんは英語が読めますか? 元の英語論文のどこに否定的なことが書いてあるのでしょう? どうか英語の原文の引用をお願いします。
失礼しました。 (投稿者:ABO FAN,投稿日時:2018/04/21 13:23:15)

>このサイトに紹介されている左巻先生の文献では「未科学」となっているものが、このサイトでは「非科学」となっている理由です。
――さすがにこれは……。いちゃもんを通り越して、いくらなんでもむちゃくちゃです苦笑。そもそもABOFANさんの「未科学」の定義が不明でもありますが……。
繰り返しますが、左巻先生は本研究の協力研究者としてご協力いただいておりますし、本サイトの研究目的・意義・内容についてもご存知です。
一応、この水素水評定については、左巻先生に直接ご意見をうかがったわけではないので確かなことはいえませんが、細かい記述についてのご異論・ご指摘はあるかもしれませんが、大筋の見解が異なるとは考えにくいです。
以上、こんなことを真剣に書く日が来るなんて思いませんでしたが、まぁ、「このサイトの内容はとんでもないものだ」という風に他の閲覧者さんに「見せる」ための、ABOFANさんのいつもの戦略だということはわかっているつもりです苦笑。

>元の英語論文のどこに否定的なことが書いてあるのでしょう?
――あぁ、なるほど。ABOFANさんの「肯定的」の意味は実験的・統計的なデータの事ではなく、上に挙げたまとめ論文の「文章的な意味」のことを指しているのですね。わかりました。
改めて、たとえば「普遍性」や「再現性」を読んでいただければわかりますが、評定では、まとめ論文に記載されている個々の研究のデータについて吟味し、記述しているわけです。その中で、たとえば「再現性」の下部に書いている水素水飲料による有害事象のことは元の研究に記載されています。
そもそも、最初に示した「まとめ論文」を参照したのは、ヒトを対象とした水素水研究において、「メタ分析」などの信頼性の高い研究を本研究側で調査しても見つけることができなかったからで(あるのならお教えいただきたいです)、できればそうした研究を中心にしながら検討するのがいいんですけどねぇ。その意味では、マイナスイオンの方が、(効果の多くは否定されているとはいえ)メタ分析が行われている分、まだマシとはいえますが苦笑。
(回答日時:2018/04/29 19:23:10)

>――根本的に、評定では「左巻先生の主張」などとして引用していません。件の書籍も、直接の参考文献ではなく「関連書籍」として取り上げていますので、きちんとお読みください。
――これには驚きました。左巻先生は「共同研究者」とこのサイトには書いてありますが?
ということは、このサイトでは共同研究者の主張を全く無視するということですか?
参考文献には「肯定的」なものしかないようですし(否定的なものは、そもそも「論文」ではないので、管理者さんによると無視していいはずです)、共同研究者の主張も全く無視するというなら、このサイトの「水素水は疑似科学」という記述は管理者さんの全くの“独断”だといういうことですか?
極めて信じにくいことですが…。
失礼しました。 (投稿者:ABO FAN,投稿日時:2018/04/04 22:00:30)

ABOFANさん
>これには驚きました。左巻先生は「共同研究者」とこのサイトには書いてありますが?
ということは、このサイトでは共同研究者の主張を全く無視するということですか?
――誰もそんなことは言っていませんよね?苦笑「直接引用していない」という意味です。「引用」の意味はご理解できますでしょうか?
>参考文献には「肯定的」なものしかないようですし
――まず、「肯定的なもの」という尺度は何によって判断しているのですか?ABOFANさんの印象でしょうか?あと、「肯定的なもの」とは理論のことですか?データのことですか?
>このサイトの「水素水は疑似科学」という記述は管理者さんの全くの“独断”だといういうことですか?
――いいえ。少なくとも評定内で扱っているデータは、語句説明で紹介した二件の論文に記載されている文献の研究データを分析の対象としており、「再現性」など、そのデータに基づいて記述しております。最終的な総評は、本研究の研究メンバー(や協力者など)と(必要があれば評定全体の原案を読んでいただいたうえで)決めております。 (回答日時:2018/04/18 15:08:51)

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